高橋正人「ホール1万店舗割れの近未来」

2015.07.30 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第59回]組合加盟店舗の実態調査結果について

まだまだ『激暑!夏真っ盛り!』とは言え、もうすぐ7月も終わりを迎えようとしている。そんな中先日、「全日遊連」から【組合加盟店舗の実態調査結果】が発表された。それは2015年の店舗数の増減を表しているモノで、その推移が分かる。今回のコラムはこの調査結果から、今年の未来予想をしてみたいと思う。

2014年12月現在の組合加盟店舗数は「10,661店舗」。そこから、『今年1月〜6月の半年間でさてどうなったのか?』を見てみると・・・「廃業店舗数」は313店舗に及んでいる。反面「新規店舗数」は58店舗となっており、その差は「マイナス255店舗」と全体的に減少している。そして更に「休業店舗」と言うものがあり、6月現在で「126店舗」となっている(昨年12月現在では「131店舗」となっている)。結果として、営業店舗は「10,661店舗⇒10,432店舗」(休業126店舗)と、実質の営業店舗数は『半年間で229店舗減少している。』と言う実態のようである。

※休業店舗数は、新規改装予定の店舗も含まれる、実質6か月営業しなければ廃業店舗となる。

問題なのは、実質の店舗数では無く、【廃業店舗数】にある。

2012年⇒廃業=362店舗・新規207店舗(年末時点での休業=132店舗)
2013年⇒廃業=434店舗・新規195店舗(年末時点での休業=100店舗)
2014年⇒廃業=426店舗・新規173店舗(年末時点での休業=131店舗)
そして、2015年の6か月間の結果は・・・
2015年6月末現在⇒廃業=313店舗・新規58店舗(月末時点での休業=126店舗)

昨年の1〜6月時点で廃業は「208店舗」で「49%」と概ね半分となっている状況から鑑みて、今年の廃業店舗を想定すると、630店舗が廃業する事になる。更に年末の遊技機規制が加味されれば、700店舗が廃業!!』なんて事も十分あり得る話なのである。つまり、昨年から【15店舗に1軒】が廃業となる計算となる(恐

新規店舗との差数なんて、【貴方の店舗】においては意味が無い。仮に「年間一千店舗が廃業」だとしても、「新規店舗が一千店舗」あれば業界の新人代謝が行われている訳で全く問題ない。しかし業界の流れがどうであろうが「今ある1店舗」の話になると話が変わる。その1店舗にとっては、その店が存続していくのか?無くなるのか?の『二択でしかない』つまり、『廃業店舗の数が増えてきている』と言う現実が、貴方の店舗にとって重要な事で、既に『生き残り策が尽きている』現実があるのかもしれない。

これからは「法人として生き残る」思考が最優先になるだろう。つまり個人の問題は後回しになる。現状から法人が生き残る為に必要な事は、『ムダな部分を切り捨てる』事になるであろう。未来のビルドに向けて、今のスクラップの時代である。それは「人・物」を捨てて「金」を残す事になる。しかし、未来に無いして『物の代わりはいくらでもある』のであるが、『人の代わりはそれなりに難しい。』だからこそ、【切り捨てられる人材で】は無く、未来に【必要な人財】が要求される時代でもある。
そしてそれを育成しておく時代でもある。それが未来への礎になる。

『【今を生き残る思考】と【未来を生き残る思考】は異なる』事を、今一度考えてみたいものである。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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