高橋正人「スターウォーズの大研究」

2014.11.19 / 連載

高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第24回]スターウォーズ大研究

今年2014年パチンコ最後を飾るコンテンツとしては、それなりのビッグコンテンツと言える「スターウォーズ」である。 しかしながら、過去の同コンテンツの成績がイマイチであった事で、業界内の評判もイマイチの感が否めない状況だったりする。 ただ、個人的には「新しい盤面の構築」をしているチャレンジには拍手を送りたいと思う。 ただし、「チャレンジに対して」であって、それが正しい手法で、成功を導き出すとは思えないことも、また事実でもある。

「スターウォーズ」コンテンツの過去

2005年1月・・・<パチンコ>CRFスター・ウォーズ(ZF/RN1/ST) 2007年6月・・・<スロット>スター・ウォーズR 2008年11月・・・<パチンコ>CRFSTARWARSダース・ベーダー降臨(ミドル&ライト) 2014年12月・・・<パチンコ>CRFスター・ウォーズ(R/A) いやぁ、こうして見ると「久々の登場!」なのですね。そこで新しいチャレンジですかぁ・・・

スペック

スペック【R】と【A】の「損益分岐点S値」が違いすぎる点。 【R】は、「特賞確率=1/199.8」「ヘソ3個・電チュー1個」賞球で、【出玉率100%分岐S値=5.9回】。 【A】は、「特賞確率=1/149.5」「ヘソ2個・電チュー1個」賞球で、【出玉率100%分岐S値=6.5回】。 選択するスペックとなると、<当りまでの時間>と<年末年始の営業粗利>を考慮して、【A】を選択すべきだと私は思う。 だが、確率分母と出玉性能の高さ(若干の話)だけを比較して、現実は70%がRを導入する・・・となるのであろうと予想する。

しかしまぁ正直なところ、分岐点Sがここまで違うと「本当にどうなのだろう」と思ってしまう事もある。 スペックの開発に携わった人達は、このスペックの極端な違いを、どう捉えているのだろう? 無論、「演出も同じ」で「停止秒数」等々も同じであれば、このスタート値の違いは、予告・リーチの出現率にも影響が出る。 『回って楽しい』ハズのパチンコ機が、予告もリーチも出難い『回っているだけでつまらない』可能性だってある。 【スペック選択】に関しては、優先事項を「当たりやすさ」に求めると【A】になるのだが・・・。

左右の「クルーン」通過の必然性はあるのか? このチャレンジに関しては、一応の評価をする私だが、実機体験では「不要」だと言わざるを得ない。 少なくとも、「左右均等=50%振り分け」は失敗だと思う。 打ち手の体験上、現在のパチンコ機では、「遊技玉の90%程度(以上)が風車を経由していて、80%程度がヘソに向かっている」訳で、 この機種の場合、打っている時点で「50%しか風車に絡まないこと」となり、更に「クルーン」を経由する事で玉軌道が安定しない。 『左側の玉数量が少ないから、どうしても右側の玉の軌道が気になる』事になるが、その為に「視線が右側に移動すること」になってしまう。 そして、その「左側の玉の半分程度」はヘソに絡まない玉となり、全体的にヘソに絡む玉数が少なくなってしまう。

また、盤面上にある玉数が多い上に、透明アクリル版でバックライトの明るさにより「玉が黒っぽく見えてしまう」事で、 玉の存在感が強調されてしまう。存在を意識してしまうと言う事は、「液晶画面に集中出来なくなること」に繋がってしまう。 遊技者にとって、決して「心地良い」とは言えないこととなる。

販売台数(想定) メーカー側はとしては「2万台」と言うところだが、完売は微妙なところ。ただ『難しい訳では無い』レベルの話になる。 【12月後半最後の新台入替】としての需要、【今後のSANKYOとの関係性】等々、それなりの需要はあると思われる。 現時点では、「一応、完売する」と言っておこうと思う。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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