高橋正人「ジョーのパンチ力を計る」

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

［第４７回］あしたのジョーの大検証

まずは、スペック概略の再確認。 【納期関連】･･･「５月２４日」〜リリース。参考販売台数は「２．０万台弱」想定。 【確率関連】･･･「特賞確率＝１／３９０．１」（高確率＝１／１２８）・Ｖ確ＳＴ突入＝５０％・継続＝１００％（１８５回転） 。「電サポ」・ＳＴ中＝１８５回転　・通常後＝１００回。 【出玉関連】･･･「賞球＝３＆３＆７＆１５＆１５」（上・下アタッカー＝１５個賞球）・「１０カウント」 ・出玉･･･＜特図１＞・確変ＳＴ「突１Ｒ＝１４０個」・「７Ｒ＋Ｖ１Ｒ＝１，１２０個」 ・通常「７Ｒ＝９８０個」 　＜特図２＞・「１５Ｒ＋Ｖ１Ｒ＝２，２４０個」のみ。

【スペックの留意点】

ＳＴ突入時の継続率（１／１２８＆１８５回転）は、「７６．６％」となり、継続回数値は「４．２７回」となる。 【ＣＲ絶狼】が「継続率＝７５．１％」「継続回数値＝４．０回」だから、体感的には『ほぼ同様のスペック』と言える。、 若干継続率が高いのは、初回の大当り出玉が少ない為、その分の出玉を上乗せできるからである。また、「突１Ｒ」の確変当りが 初回「１０％」あるので、特賞確率は「１／３９９．９」には出来ない。

◆【ステージ性能】

基本的には、『甘めの仕様』となる。 ※＜ココでの運用ポイント＞※ ＜写真2枚目参照＞⇒【設置傾斜】は、「３分０厘」以上の「起こし気味」での運用がオススメ。 ＜参考図㈪＞⇒最初の玉軌道分岐点【Ｖ字】での振分が重要なポイントで、基本的には『外ルートの玉は、「く」の字にワープ へ向かう玉軌道が多くなる』。逆に『内ルートの玉軌道は、役物に触れた後「ワープ上」＜参考図㈫＞を通過する軌道が多くなる』

◆【スタート入賞性能】

「出率１００％分岐点Ｓ値＝５．７回」目安なので、実際の営業は「Ｓ＝５．４回」程度となるであろう。 また「風車」からの【外逃げ玉】は「少ない」設計なので、逆にヘソへの寄り玉が多くなる傾向です。

※＜ココでの運用ポイント＞※

＜写真2枚目参照＞⇒ワープ上部の【Ｖ字】から『左部への玉軌道が望ましい』。これにより【ワープ入賞】率の軽減が図られる。 また、その左部に逃げた玉は、【逃げ玉】と【寄り玉】となるが、『ワープ直近の玉軌道では、この逃げ玉ルートが皆無となる』

◆【アタッカー＆出玉性能】

「下アタッカー」の【ラウンド間秒数】は「０．６秒」と短く、【カウントオーバー入賞】も少ない事から出玉バラつきは小さい。

※＜ココでの運用ポイント＞※

「完全固定」となる出玉であり、大きな問題は無い。「下６Ｒ⇒上７Ｒ」「上７Ｒ⇒下８Ｒ」のラウンド間秒数は「合計６秒」程度 であり、止め打ちによる出玉差があっても「１０個」程度の効果に過ぎないので、あまり気にする事も無いであろう。

◆【甘ベース性能】

「ＳＴ１８５回転」と言うロングのＳＴ回数に対して、【ＳＡ値＝約１９回】想定とすれば、その【ＳＴフル消化時間】は、 「９分４５秒」程度となり、リーチ次第では『消化１０分！』と考えておいて良い。 『ＳＴフル消化で１００玉減少』を基準と考えると、【下限ＢＡ値＝９０％】を想定しておいた方が無難である。

※＜ココでの運用ポイント＞※

＜写真2枚目参照＞⇒どちらかと言うと『下げにくい』ゲージ設計であるが、サブデジタル回転用の【右スルー】の通過率減少は、 そもそも『ＳＴ消化時間が長い』ことからも、避けておくべき事だと思われる。 よって、電チュー周辺のゲージ設計が重要になるが、この図の玉軌道を意識して【電チュー入賞釘の上の釘】に当たってからの 逃げ玉があると、結果的に甘ベース値は下がる事となる。 そしてその為には、図の【太線ピッチ】部分が広く【ピッチの上釘】が上げ釘になると、効果的にあると考えられる。

＜総評＞

元々は、今は無き「奥村遊機」から２００１年に「ミドルスペック」にて初リリースされたコンテンツである。 その後、紆余曲折の中「京楽産業」から【びっくりぱちんこ・あしたのジョー】として２０１０年に「マックス仕様」でリリース。 同時に「サミー」から【パチスロあしたのジョー】が同時展示会として発表され、同年に同時リリースとなった。 現在ではこの「京楽コンテンツ」のイメージが残ると思われるが、今度は「サミーからのぱちんこ」としてリリースとなった。 ここ最近の機種でもチョクチョク見かけるが、『コンテンツの再登場が以前と異なるメーカーから』の事例がある。 いずれにしても演出の開発側のこだわりもあるだろうから、【演出の熱さ】とか【扱いが異なる】可能性は十分考えられる。 打ち手からすれば、それが「新しい」となるのか？「違和感がある」となるのか？･･･さてどうなのだろう？とやや不安の私です。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。