高橋正人「くぎ検査の傾向と対策」

2015.08.13 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第61回]くぎ検査

健全化推進機構「調査結果」の発表自体は、当初9月予定であったが、『改善を促すため』として発表は前倒しされ、「8月3日」付けでの発表となった。発表された内容の対象となる調査期間は「6月と7月分」となされ、多くの概要が公表された事となった。

調査方法における【時間】について
いわゆる「打ち出し玉数」だが、概ね「2,000個〜3,500個」(平均3,000個程度)となっている。つまり時間的には【通常状態で20分〜30分>での調査結果となる。これは概ね想定通りの時間であり、それがハッキリと分かっただけでも、今後『それにどう対応するのか?』の参考になる。

調査結果
【6月】
<有効調査台数> 全国7地区・23店舗・32台
<打ち出し球数> 2,650個〜3,701個(平均=3,032個
一般入賞口への入賞が確認された台数(率)⇒9台(28.1%)
入賞確認の内訳⇒・0個=23台(71.9%)・1〜3個=4台(12.5%)・4〜6個=4台(12.5%)・7〜9個=1台(3.1%)・10個以上=無(0%)

【7月】
<有効調査台数> 全国25地区・76店舗・124台
<打ち出し球数> 2,069個〜3,220個(平均=2,929個
一般入賞口への入賞が確認された台数(率)⇒53台(42.7%)
入賞確認の内訳⇒・0個=71台(57.3%)・1〜3個=37台(29.8%)・4〜6個=11台(8.9%)・7〜9個=4台(3.2%)・10個以上=無(0.8%)

調査結果の評価
前提は『保通協試験時の状態から「ほど遠い」状態と思われる』としながらも、『6月より7月の方が、「市場においては改善の兆しが少し見られる状況になった」と判断致しました』としている。個人的に注目したのは【状態の占有率】であって、数値から見ると分かるように(機構では占有率は表記していない)、「0個=71.9%⇒57.3%」「1〜3個=12.5%⇒29.8%」「4〜6個=12.5%⇒8.9%」「7〜9個=3.1%⇒3.2%」と変化している事が窺える。つまり、個人的には「1・2個入賞」の台が増えて、4個以上入賞の台数は減っている事になると思う。

いずれにしても、【6.23保安課文書】で言うところの、『一般入賞口に全く玉が入らないぱちんこ遊技機』が減少している傾向にあるのだから、それはそれで【一旦の落としどころ】としは良い傾向であると思われる。ただし、個数は別として「入賞した台=100%」にする必要性は迫られる事になるだろうし、また『ホール側としては、そうしなければならないであろう』事は、避けられない道でもある事もまた事実。

日遊協主催・くぎ勉強会
最初は「7月6日(東京)」において開催された。その後全国各地に出向き、同様の勉強会が開催されている。元々は「日遊協内での勉強会」としての立ち位置であったが、今後は『希望者は受講可能となる』ものと思われるので、各ホールにおいては、その動向を知り、積極的に参加する事が望ましいと考えられる。内容に関して、どうこう言うつもりま全くありませんが、ホール立場としては、もう少しだけ具体的な数値説明があった方が良いとは感じるので、私なりに加筆させていただく。

(1)【ベース値上昇による粗利変化】
「通常ベース=1%」上昇⇒「玉粗利3銭」の低下となる。
   ↓
(2)【同一粗利にするための「スタート値」変化】
「通常ベース=2%」上昇⇒「有効スタート値=0.1回(アウト100発)」
   ↓
(3)【千円スタート値の変化】
同一の台粗利であれば、「ベース値上昇⇒スタート低下」では、『千円スタート値は変わらない』
   ↓
(4)【通常アウト値は上昇する変化】
一人のお客様が使うお金(=売上)が変化しないのであれば、通常時のアウトは上昇する。

結果的には、『BA=2%上げて、S=0.1回下げて、通常アウト=2%が伸びる・・・事になる』。以上を論理的に説明して頂ければ、ホール現場としても不安が少なりなり、更に前向きに対応する事になる可能性はあると、私は思っている。

コマーシャルになるようで心苦しいが、私の「高橋セミナー」も行政内容で行っているので、法人セミナー等々で気になる方はお問い合わせ頂きたいと思う。(※ただし有料)

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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