頭取りから見える閉店のシグナル

2020.02.08 / コラム

新基準機を入れ替えずに廃業するかどうかは、現在設置されている機種構成を見れば一目瞭然だろう。営業を続ける気がなければ、小台数の新基準機を入れ替えるのも無駄。中小店舗で旧基準機ばかりなら来年2月1日からの営業を諦めている、と見るべきだろう。頭取りしていれば競合店は気づいている。

「欲しい台はパチンコならビッグネーム。スロットならジャグラー」とは勝ち残る決意をしているホール関係者。こんな機種構成では小型店でも運営は難しい。

「来年の1月末までに一気に2000~3000店舗が閉店するんじゃないかな。まだまだ店が多すぎる。ここを乗り切れば適正軒数になる。ウチは減台してでもいい台が出るのを待って生き残りにかける」(同)と覚悟を決めている。

このホール関係者はコンビニ経営(セブンイレブン)も同時に行っている。

「コンビニは人手不足から時短営業の動きがあるけど、ウチは1回も困ったことはない。ただ、今までやっていたことが当たり前と思ってやっていたことが異常だったことに気づいた」と打ち明ける。

それはクリスマスケーキや恵方巻などの販売ノルマだった。本部から売り上げのノルマを課せられ、自爆営業もやってきた。

特に恵方巻の食品ロスが社会問題になり、本部からのノルマの締め付けも軽くなったことが、「こんなに楽だとは思わなかった」としみじみ語る。

コンビニを始めて1年目は日売りが70万円はあったが、今は競合地域内に同じセブンイレブンがオープンしたために57万円に下がった。

「本部が近くに出店させるのは配送効率を考えてのこと。最初の店はどんどん売り上げが減る」

本部さえ儲かればフランチャイズオーナーのことはどうでもいい、という考えか。相変わらずブラックだ。

店が増える中での生き残りを今、コンビニで経験している。一方のパチンコ業界はホールの新規出店はピタリと止まり、競合店は閉店するばかりで、適正軒数へ向かおうとしている。今が辛抱のしどころだ。

パチンコが衰退している理由として各台計数機の普及を挙げる。

「玉積みをして、玉を流すときの音が耳に残っている。これが快感だった。自分で玉を流したいという常連客には要望に応えていた。勝った時のイメージが耳に植え付けられていた」

そんなことを求める客もいなくなり、人手不足の折に今さら玉積みに戻せない。

「完全に6号機に入れ替わったらスロットはヤバイ。確実に稼働は減る。パチンコの大工の源さんは甘デジなので差玉も出ない。完全に遊ぶ台になっている」

生き残っても前途洋々とは行かない。最後は救世主となる機械をひたすら待つしかないのだろうか。









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