韓国:Paradise カジノ売上高11月YoY32%増と好調も, P-CityのDropが32ヵ月ぶり前年割れ

2019.12.08 / カジノ
2019-12-08

【海外ニュース】

12月3日、韓国Paradise Company Limited(Paradise)は、2019年11月のカジノ売上高を発表。Paradiseは4ヵ所の外国人専用カジノを運営。

全社:11月単月KRW67,267mn,YoY31.5%増, 1-11月累計KRW714,993mn,YoY23.0%増(円換算はそれぞれ約62億円, 658億円)。

<プロパティ別>
ソウル Walkerhill:11月単月KRW24,972mn,YoY20.8%増, 1-11月累計KRW269,468mn,YoY0.5%減
仁川 Paradise-City:11月単月KRW31,017mnb,YoY28.9%増, 1-11月累計KRW336,837mn,YoY48.4%増
釜山 Busan:11月単月KRW7,845mn,YoY104.8%増, 1-11月累計KRW73,052mn,YoY18.9%増
済州島 Jeju Grand:11月単月KRW3,433mn,YoY33.0%増, 1-11月累計KRW35,636mn,YoY61.1%増

11月単月では、Paradise-CityのDropがYoY11.9%減と、2017年3月以来で初の前年比マイナスとなった。中国、日本、その他のVIP部門が全面マイナスとなった。中国などにおける経済不安が影響した可能性がある。
ただし、11月には、WIN率の要素もあり、売上高は前年比プラスとなった。

12月以降、Paradise-Cityの売上高がプラス基調を継続できるか注目される。

1-11月累計では、Paradise City(運営会社:ParadiseSegasammy, 出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)が、全体の47%を占有。逆に、以前の主力であったWalkerhillのウエイトが減少。

Paradise Cityの2019年1-11月累計のDROPの内訳は、日本人VIPが39%、中国人VIPが25%、その他VIPが21%、マスが15%。

韓国:Paradise 19年度3Q 業績改善~P-Cityが規模感ある利益。売上127億円,営利23億円

11月7日、韓国Paradise Company Limited(Paradise)は、2019年度3Q業績を発表。

Paradiseは、外国人専用カジノ4施設、ソウル(Walkerhill)、仁川(Paradise-City)、釜山(Busan)、済州島(Jeju Grand)を運営。

連結ベースの3Q(7-9月)営業利益は、39億円,YoY3.8倍。ParadiseSegasammy(Paradise Cityの運営会社。出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)の大幅改善が寄与。

ParadiseSegasammyの3Q(7-9月)営業利益は、23億円,YoY8.0倍。夏のハイシーズンを背景に、初めて規模感のある黒字を確保した。

業績は、ParadiseCity中心に増収基調を継続。中国、日本顧客とも伸長。現在まで、中国経済不安、日韓関係悪化の影響は見られず。

連結 2019年度3Q(7-9月)業績:
・売上高KRW274,384mn,YoY30%増, EBITDA KRW65,605mn,YoY2.2倍, 営業利益KRW41,062mn,YoY3.8倍, 株主帰属当期利益KRW34,207mn,YoY7.3倍
・円換算は, 売上高258億円, EBITDA 62億円, 営業利益39億円, 株主帰属当期利益32億円

ParadiseSegasammy(Paradise City運営会社) 2019年度3Q(7-9月)業績:
・売上高KRW135,270mn,YoY60%増, EBITDA KRW40,608mn,YoY3.3倍, 営業利益KRW24,475mn,YoY8.0倍, 当期利益KRW16,308mn(前年同期KRW266mnの赤字)
・円換算は, 売上高127億円, EBITDAは38億円, 営業利益23億円, 当期利益15億円

Paradise SegaSammy社(韓国仁川広域市Paradise City運営) 業績推移
・Paradise SegaSammyの出資比率は、Paradiseが55%、SegaSammyが45%
・2017年4月20日に第1期1次開業
・2017年4-6月:売上高40億円, 営業損益18億円の赤字
・2017年7-9月:売上高67億円, 営業損益0.5億円の黒字
・2017年10-12月:売上高71億円, 営業損益2.6億円の赤字
・2018年1-3月:売上高65億円, 営業損益0.9億円の黒字
・2018年4-6月:売上高64億円, 営業損益2.3億円の赤字
・2018年7-9月:売上高84億円, 営業損益1.8億円の黒字
・2018年10-12月:売上高88億円, 営業損益22億円の赤字
・2019年1-3月:売上高91億円, 営業損益7億円の赤字
・2019年4-6月:売上高95億円, 営業損益4億円の赤字
・2019年7-9月:売上高127億円, 営業損益23億円の黒字

 

PARADISE CITY 施設概要
運営会社:PARADISE SEGASAMMY Co.,Ltd.(出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)
敷地面積:330,000㎡(約10万坪) 第1期は220,000㎡を活用
投資金額:第1期2次までの累計1,568億円
– 第1期1次開業(2017年4月20日)の累計=約13,000億KRW、うちセガサミー投資額2,329億KRW(約1,300億円、233億円)
– 第1期2次開業(2018年9月21日)の累計=約15,675億KRW、うちセガサミー投資額3,319億KRW(約1,568億円、332億円)。
施設構成:
<第1期1次 2017年4月20日開業>
・ホテル(部屋数:711室、付帯施設:レストラン、バンケット、屋内外プール等)、外国人専用カジノ(15,529㎡, Table Game:154台、Slot Machines:281台、Electronic Table Game:62台)、コンべンション(約3,000㎡)
<第1期2次 2018年9月21日開業(WONDERBOXを除く)>
・床面積11万㎡
・商業施設(約8,000㎡)、温浴Spa(最大収容人数 2,000名)、クラブ(最大収容人数 3,000名)、文化施設、デザイナーズホテル(部屋数:58室)
・WONDERBOX(屋内型ファミリー向けエンタテインメント施設)は、2019年上半期オープン予定

 

韓国 カジノおよびIR市場動向

韓国:IR上場3社計 19年度3Q 売上高773億円,YoY15%増~内外国人も順調, ParadiseCity牽引

韓国証券取引所に上場するIR3社であるKangwon Land(KWL)、Grand Korea Leisure(GKL)、Paradise Company Limited(Paradise)がそれぞれ2019年度3Q業績を発表。
発表日は、Paradiseが11月7日、GKL、KWLが11月8日。

韓国では現在17ヵ所のカジノ施設があり、うち外国人専用が16ヵ所、内国人が入場可能な唯一の施設はKangwon Land(Kangwon Landが運営)である。

Paradiseは4ヵ所(ソウル、仁川、釜山、済州島)、GKLは3ヵ所(ソウル、釜山)の外国人専用カジノを運営。
両社は、Landing International Developmentが済州島で”Jeju Shinhwa World”が開業(2018年2月25日)するまで、外国人専用カジノ市場の約9割を占有していた。

3社計の業績は、3Q(7-9月)が売上高773億円,YoY15%増, 営業利益200億円,YoY27%増, 3Q累計(1-9月)が売上高2,106億円,YoY9%増, 営業利益523億円,YoY15%増。
全体とし順調。

Kangwon Landは、2017年末から18年の営業規制強化の影響が一巡。内国人市場は、回復基調。

外国人専用カジノ事業者では、Paradise City(運営会社Paradise Segasammy, 出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)がシェアを急拡大。

なお、Landing International Development(香港上場)の業績(ほぼ済州島”Jeju Shinhwa World”のみ)は、2019年度1H(1-6月)は売上高HK$347mn,YoY80%減, 株主帰属当期損益HK$836mn(前年同期HK$281mnの黒字)。
円換算は、売上高49億円、株主帰属当期損益117億円の赤字。

韓国:18年射幸産業統計 外国人カジノ1625億円,YoY35%増~Landing”Jeju Shinhwa”牽引

7月、韓国・射幸産業統合監督委員会(National Gambling Control Commission)は、2018年の射幸産業統計を公表。

GGY(Gross Gambling Yield)は、射幸産業全体では96,726億ウォン,YoY5%増(約9,673億円)。
カジノ部門は30,254億ウォン,YoY11%増(約3,025億円)。

カジノ部門のうち、KangwonLandは14,001億ウォン,YoY8%減(約1,400億円)、外国人専用カジノは16,253億ウォン,YoY35%増(約1,625億円)。
訪問者数は、KangwonLandが2,852千人,YoY8%減、外国人専用カジノが2,839千人,YoY28%増。

KangwonLandは、内国人が入場可能な唯一の施設。外国人専用カジノは16施設であった。

KangwonLand – 縮小。営業規制が響く:
・政府・文化体育観光部は、2017年12月28日にKangwon landに営業規制を通知。
– マス・テーブル数削減(180台から160台)は2018年1月1日実施
– 営業時間の短縮(10am-6amから10am-4am)は2018年4月1日実施
・2017年12月、政府は、Gambling Industry Reform Planを提言。Kangwon Landの売上抑制策に重点を置いた。政府は、2008年、ギャンブル産業への売上成長キャップ(7種目合計GGR/GDPの上限値を設定)を導入。2014年以来、7種目合計GGR/GDPを0.54%以下に抑制する方針とし、各種目に成長許容上限値を割り振った。Kangwon Landは、7種目の中で、唯一、上限値を超過

外国人専用カジノ – 急拡大。済州島Jeju Shinhwa Worldがけん引:
・上場2社(GKL, Paradise)計の2018年度の売上高(決算)は11,693億ウォン,YoY8%増(約1,169億円)
・けん引役は、Landing International Developmentの済州島Jeju Shinhwa World(2018年2月25日開業)
・Landing Int’l Devの2018年度の売上高(決算)は298億円で、Jeju Shinhwa Worldがほぼ全体を占有

韓国の外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)の開発動向

現在5つの大型の外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)の開発計画が具体化。
このうち、Paradise&セガサミーHDの「パラダイス・シティー」、Landing International Development「Jeju Shinhwa World project」は、それぞれ開業済み。

仁川広域市の永宗島(仁川空港を含む)には3つの大型IR計画がある。
・Paradise&セガサミーHDの「パラダイス・シティー」(投資額:第1期15,675億ウォン≒1,568億円, 開業:第1期1次2017年4月20日, 2次2018年9月21日)
・Caesars Entertainment CorpとGuangzhou R&F Propertiesの計画(投資額:第1期7億ドル, 最終20億ドル, 開業予定:第1期2021年初)
・Mohegan Gaming and Entertainmentの「インスパイア」(投資額:第1期16億ドル, 最終50億米ドル, 開業予定:第1期2022年)

済州島では2つの大型IR計画がある。
・Landing International Development「Jeju Shinhwa World project」(投資額:18億ドル, フェーズⅠ開業:2018年2月25日)
・ロッテ観光開発&中国緑地グループ「ドリームタワーカジノ複合リゾート」(投資額:7,000億ウォン≒700億円, 開業予定:2019年10月)

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