韓国:日本, 韓国全土の新型肺炎危険度をレベル2以上に引上~P-Cityの日本人依存度4割

2020.03.06 / カジノ
2020-03-06

【海外ニュース】

3月5日、外務省は、新型肺炎(COVID-19)の感染拡大を受け、韓国全土の感染症危険情報をレベル1(十分注意してください)から、レベル2(不要不急の渡航自粛を勧告)に引き上げた。
3月4日までに、外務省は、大邱広域市および慶尚北道慶山などに対して、感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)を発出済み。

今後、韓国のIR施設を訪問する日本人顧客数は、大幅に縮小する可能性がある。

外国人専用カジノ事業者の最大手であるParadise社のカジノ部門売上高の構成比は以下の通り。日本人顧客依存度は、全社では3割以上、Paradise Cityでは約4割。

<2019年累計>
・Paradise全社:カジノ部門ネット売上高KRW784,061mn(約706億円)
– ネット売上高の構成比:Junket 3%, Table 91%, Slot 6%
– テーブルDropの構成比:日本人VIP 35%, 中国人VIP 26%, その他VIP 21%, Mass 18%

・Paradise City:カジノ部門ネット売上高KRW375,588mn(約338億円)
(運営会社:ParadiseSegasammy, 出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)
– ネット売上高の構成比:Junket 5%, Table 90%, Slot 5%
– テーブルDropの構成比:日本人VIP 42%, 中国人VIP 19%, その他VIP 22%, Mass 17%

韓国:外国人専用2社 Paradise, GKL 2月は営業継続, 増勢維持。ただし,顧客数に肺炎影響

3月2日にGrand Korea Leisure(GKL)、3月3日にParadise Company Limited(Paradise)が、2020年2月のカジノ売上高を発表。両社は、外国人専用カジノ上場2社。

2月単月の売上高は、GKLがYoY38%増、ParadiseがYoY16%増。明確な減速感はない。ただし、顧客数には、新型肺炎の影響が出始めているようだ。

現在まで、外国人専用カジノ施設は、運営を継続中。ただし、一部施設では、中国人の団体客の受入停止などの措置を導入している模様。
大型IRであるParadise Cityは、一部のノンゲーミング・エンターテインメントを休止している。

なお、Kangwon Land(内国人が入場可能な唯一の施設)は、2月23日(日)昼12時〜3月9日(月)午前6時までカジノ休場を発表。

Grand Korea Leisure(GKL)、Paradise Company Limited(Paradise)は、外国人専用カジノ運営企業であり、韓国証券取引所に上場する。両社、および、済州島Jeju Shinhwa World(Landing International Development, 香港上場)で、外国人専用カジノ市場のほぼすべてを占有。

Paradiseは4ヵ所(ソウル、仁川、釜山、済州島)、GKLは3ヵ所(ソウル、釜山)の外国人専用カジノを運営。

<Grand Korea Leisure(GKL)カジノ売上高>
・2月単月:KRW43,963mn,YoY38%増, 1-2月累計:KRW98,544mn,YoY48%増

<Paradise Company Limited(Paradise)カジノ売上高>
・2月単月:KRW64,303mn,YoY16%増, 1-2月累計:KRW135,707mn,YoY22%増
・プロパティ別
– ソウル Walkerhill:2月単月KRW26,522mn,YoY15%増, 1-2月累計KRW49,627mn,YoY6%増
– 仁川 Paradise City:2月単月KRW31,673mn,YoY29%増, 1-2月累計KRW69,337mn,YoY32%増
– 釜山 Busan:2月単月KRW4,917mn,YoY7%増, 1-2月累計KRW9,931mn,YoY20%増
– 済州島 Jeju Grand:2月単月KRW1,191mn,YoY62%減, 1-2月累計KRW6,812mn,YoY66%増

1-2月累計では、Paradise City(運営会社:ParadiseSegasammy, 出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)が、カジノ売上高全体の51%を占有。

paradise Cityの1-2月累計の売上高の構成比は、ジャンケット経由が7%, テーブル(ジャンケット経由除く)が88%, スロットが5%。
テーブルDROPの内訳は、日本人VIPが39%、中国人VIPが25%、その他VIPが20%、マスが17%。

(注)2020年1月分の発表より、中国人VIPのジャンケット経由をDROPから分離開示(2018年から訴求修正)

韓国:KWL, 新型肺炎対応の休場再延長。3月9日まで,逸失50億円/Paradiseなど運用継続

2月23日、韓国政府は、新型肺炎の危機警報レベルを最上位に引き上げた。

Kangwon Land社は、24日にカジノ休場を発表したが、事態の深刻さ、その認識が増す中、28日に2回目の期間延長を余儀なくされた。

一方、外国人専用カジノ施設は、運営を継続中。最大手のParadise社は、現在までのところ、休場を検討していない。ただし、一部の施設では、中国人の団体客の受入停止などの措置を導入している模様。

韓国では現在17ヵ所のカジノ施設があり、うち外国人専用が16ヵ所、内国人が入場可能な唯一の施設はKangwon Land(Kangwon Landが運営)である。

2月28日、韓国のKangwon Land社は、新型肺炎対応のカジノ休場期間の2回目の延長を発表。

<2月28日(金)発表>
・休場期間:2020年2月23日(日)昼12時〜3月9日(月)午前6時
・休場期間のカジノ売上高の逸失見込額:約552億ウォン(約50億円, 2019年の日平均売上高より算出)

Kangwon Land社は、最初、2月24日にカジノ休場を発表。25日に延長した経緯がある。

<2月24日(火)発表>
・休場期間は、2月23日(日)昼12時~2月26日(水)午前6時
・休場期間のカジノ売上高の逸失見込額は、約111億ウォン(約10億円, 2019年の日平均売上高より算出)

<2月25日(水)発表>
・休場期間:2020年2月23日(日)昼12時〜29日(土)午前6時
・休場期間のカジノ売上高の逸失見込額:約220億ウォン(約20億円, 2019年の日平均売上高より算出)

2月11日、Kangwon Land社は、2019年度4Q業績を発表。
4Q(10-12月)は、売上高KRW372,838mn,YoY6%増, 株主帰属当期利益KRW53,031mn,YoY178%増(336億円, 48億円)。
4Q累計(1-12月)は、売上高KRW1,520,080mn,YoY6%増, 株主帰属当期利益KRW335,067mn,YoY13%増(1,368億円, 302億円)。

韓国:Paradise 19年度4Q 業績改善~Paradise Segasammy改善続く。売上120億円,営利7億円

2月26日、韓国Paradise Company Limited(Paradise)は、2019年度4Q業績を発表。

Paradiseは、外国人専用カジノ4施設、ソウル(Walkerhill)、仁川(Paradise-City)、釜山(Busan)、済州島(Jeju Grand)を運営。

連結ベースの営業利益は、4Q(10-12月)11億円(前年同期12億円の赤字), 4Q累計(1-12月)47億円,YoY22倍。

ParadiseSegasammy(Paradise City運営会社。出資比率:パライダイス55%,セガサミー45%)の大幅改善が寄与。

ParadiseSegasammyの4Q(10-12月)営業利益は、7億円(前年同期20億円の赤字)。2四半期連続で黒字確保。

連結 2019年度4Q(10-12月)業績:
・売上高KRW269,450mn,YoY24%増, EBITDA KRW65,605mn,YoY9.2倍, 営業利益KRW12,477mn(前年同期KRW13,140mnの赤字), 株主帰属当期利益KRW14,708mnの赤字(同KRW45,836mnの赤字)
・円換算は, 売上高245億円, EBITDA 60億円, 営業利益11億円, 株主帰属当期利益13億円の赤字

連結 2019年度4Q累計(1-12月)業績:
・売上高KRW979,433mn,YoY24%増, EBITDA KRW162,891mn,YoY2.2倍, 営業利益KRW51,967mn,YoY22倍, 株主帰属当期利益KRW6,473mn(前期KRW44,147mnの赤字)
・円換算は, 売上高891億円, EBITDA 148億円, 営業利益47億円, 株主帰属当期利益6億円

Paradise Segasammy(Paradise City運営会社) 2019年度4Q(10-12月)業績:
・売上高KRW131,545mn,YoY50%増, EBITDA KRW24,568mn(前年同期KRW7,948mnの赤字), 営業利益KRW7,662mn(同KRW22,454mnの赤字), 当期利益KRW11,487mnの赤字(同KRW42,458mnの赤字)
・円換算は, 売上高120億円, EBITDA 22億円, 営業利益7億円, 当期利益10億円

Paradise SegaSammy社(韓国仁川広域市Paradise City運営) 概要
・Paradise SegaSammy社の出資比率は、Paradiseが55%、SegaSammyが45%

<Paradise SegaSammy社 業績推移>
・2017年4月20日に第1期1次開業
・2017年4-6月:売上高40億円, 営業損益18億円の赤字
・2017年7-9月:売上高67億円, 営業損益0.5億円の黒字
・2017年10-12月:売上高71億円, 営業損益2.6億円の赤字
・2018年1-3月:売上高65億円, 営業損益0.9億円の黒字
・2018年4-6月:売上高64億円, 営業損益2.3億円の赤字
・2018年7-9月:売上高84億円, 営業損益1.8億円の黒字
・2018年10-12月:売上高88億円, 営業損益22億円の赤字
・2019年1-3月:売上高91億円, 営業損益7億円の赤字
・2019年4-6月:売上高95億円, 営業損益4億円の赤字
・2019年7-9月:売上高127億円, 営業損益23億円の黒字
・2019年10-12月:売上高120億円, 営業損益7億円の黒字

<Paradise City 施設概要>
敷地面積:330,000㎡(約10万坪) 第1期は220,000㎡を活用
投資金額:
– 第1期1次開業(2017年4月20日)の累計=約13,000億KRW、うちセガサミー投資額2,329億KRW(約1,300億円、233億円)
– 第1期2次開業(2018年9月21日)の累計=約15,675億KRW、うちセガサミー投資額3,319億KRW(約1,568億円、332億円)。

施設構成:第1期1次 2017年4月20日開業
・ホテル(部屋数:711室、付帯施設:レストラン、バンケット、屋内外プール等)、外国人専用カジノ(15,529㎡, Table Game:154台、Slot Machines:281台、Electronic Table Game:62台)、コンべンション(約3,000㎡)

施設構成:第1期2次 2018年9月21日開業(WONDERBOXを除く)
・床面積11万㎡
・商業施設(約8,000㎡)、温浴Spa(最大収容人数 2,000名)、クラブ(最大収容人数 3,000名)、文化施設、デザイナーズホテル(部屋数:58室)
・WONDERBOX(屋内型ファミリー向けエンタテインメント施設)は、2019年上半期オープン予定

 

韓国:IR上場3社計 19年度3Q 売上高773億円,YoY15%増~内外国人も順調, ParadiseCity牽引

韓国証券取引所に上場するIR3社であるKangwon Land(KWL)、Grand Korea Leisure(GKL)、Paradise Company Limited(Paradise)がそれぞれ2019年度3Q業績を発表。
発表日は、Paradiseが11月7日、GKL、KWLが11月8日。

韓国では現在17ヵ所のカジノ施設があり、うち外国人専用が16ヵ所、内国人が入場可能な唯一の施設はKangwon Land(Kangwon Landが運営)である。

Paradiseは4ヵ所(ソウル、仁川、釜山、済州島)、GKLは3ヵ所(ソウル、釜山)の外国人専用カジノを運営。
両社は、Landing International Developmentが済州島で”Jeju Shinhwa World”が開業(2018年2月25日)するまで、外国人専用カジノ市場の約9割を占有していた。

3社計の業績は、3Q(7-9月)が売上高773億円,YoY15%増, 営業利益200億円,YoY27%増, 3Q累計(1-9月)が売上高2,106億円,YoY9%増, 営業利益523億円,YoY15%増。
全体とし順調。

Kangwon Landは、2017年末から18年の営業規制強化の影響が一巡。内国人市場は、回復基調。

外国人専用カジノ事業者では、Paradise City(運営会社Paradise Segasammy, 出資比率:パライダイス55%、セガサミー45%)がシェアを急拡大。

なお、Landing International Development(香港上場)の業績(ほぼ済州島”Jeju Shinhwa World”のみ)は、2019年度1H(1-6月)は売上高HK$347mn,YoY80%減, 株主帰属当期損益HK$836mn(前年同期HK$281mnの黒字)。
円換算は、売上高49億円、株主帰属当期損益117億円の赤字。

韓国:18年射幸産業統計 外国人カジノ1625億円,YoY35%増~Landing”Jeju Shinhwa”牽引

7月、韓国・射幸産業統合監督委員会(National Gambling Control Commission)は、2018年の射幸産業統計を公表。

GGY(Gross Gambling Yield)は、射幸産業全体では96,726億ウォン,YoY5%増(約9,673億円)。
カジノ部門は30,254億ウォン,YoY11%増(約3,025億円)。

カジノ部門のうち、KangwonLandは14,001億ウォン,YoY8%減(約1,400億円)、外国人専用カジノは16,253億ウォン,YoY35%増(約1,625億円)。
訪問者数は、KangwonLandが2,852千人,YoY8%減、外国人専用カジノが2,839千人,YoY28%増。

KangwonLandは、内国人が入場可能な唯一の施設。外国人専用カジノは16施設であった。

KangwonLand – 縮小。営業規制が響く:
・政府・文化体育観光部は、2017年12月28日にKangwon landに営業規制を通知。
– マス・テーブル数削減(180台から160台)は2018年1月1日実施
– 営業時間の短縮(10am-6amから10am-4am)は2018年4月1日実施
・2017年12月、政府は、Gambling Industry Reform Planを提言。Kangwon Landの売上抑制策に重点を置いた。政府は、2008年、ギャンブル産業への売上成長キャップ(7種目合計GGR/GDPの上限値を設定)を導入。2014年以来、7種目合計GGR/GDPを0.54%以下に抑制する方針とし、各種目に成長許容上限値を割り振った。Kangwon Landは、7種目の中で、唯一、上限値を超過

外国人専用カジノ – 急拡大。済州島Jeju Shinhwa Worldがけん引:
・上場2社(GKL, Paradise)計の2018年度の売上高(決算)は11,693億ウォン,YoY8%増(約1,169億円)
・けん引役は、Landing International Developmentの済州島Jeju Shinhwa World(2018年2月25日開業)
・Landing Int’l Devの2018年度の売上高(決算)は298億円で、Jeju Shinhwa Worldがほぼ全体を占有

韓国の外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)の開発動向

現在5つの大型の外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)の開発計画が具体化。
このうち、Paradise&セガサミーHDの「パラダイス・シティー」、Landing International Development「Jeju Shinhwa World project」は、それぞれ開業済み。

仁川広域市の永宗島(仁川空港を含む)には3つの大型IR計画がある。
・Paradise&セガサミーHDの「パラダイス・シティー」(投資額:第1期15,675億ウォン≒1,568億円, 開業:第1期1次2017年4月20日, 2次2018年9月21日)
・Caesars Entertainment CorpとGuangzhou R&F Propertiesの計画(投資額:第1期7億ドル, 最終20億ドル, 開業予定:第1期2021年初)
・Mohegan Gaming and Entertainmentの「インスパイア」(投資額:第1期16億ドル, 最終50億米ドル, 開業予定:第1期2022年)

済州島では2つの大型IR計画がある。
・Landing International Development「Jeju Shinhwa World project」(投資額:18億ドル, フェーズⅠ開業:2018年2月25日)
・ロッテ観光開発&中国緑地グループ「ドリームタワーカジノ複合リゾート」(投資額:7,000億ウォン≒700億円, 開業予定:2019年10月)

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