電子チラシ「Shufoo!」はP業界に革命を起こせるか?

2014.07.24 / 連載

現在、全国のパチンコホール約11000店舗が登録しているP-WORLD。平成23年のパチンコ店が11392店舗であることから、ほとんどのホールが登録していることになる。

その不動のコンテンツを脅かそうとするサービスが台頭している。それが電子チラシポータルサイトの「Shufoo!(シュフー)」だ。

「Shufoo!」とは、2001年に凸版印刷がサービスを開始した電子チラシポータルサイトである。新聞などに織り込まれるチラシをデータとして毎日配信し、登録者はあらかじめエリアを設定することで、自宅付近などの必要なエリアのチラシのみが随時更新されていく。新聞を購読しなくても近隣のチラシをチェックできるため、サービスを受ける側にとってもチラシを撒く側にとってもメリットがある。

立ち上げ当初はPCサイトだったものの、2008年10月に携帯電話向けの「Shfoo!mobile」を開始し、2010年5月にiPhoneやiPad向けのアプリとして開発。翌年5月にはandroid版アプリがリリースされ、使い勝手が飛躍的に向上した。

月間1億3360万PV、月間ユニークユーザー690万、チラシ掲載企業数約2700社、チラシ掲載店舗数は約10万1000店舗にも昇る(※詳しくは、Shuoo!公開資料を参照:http://www.shufoo.net/biz/pdf/ad.pdf)。国内最大級となった電子チラシポータルサイトのShufoo!を、パチンコ店も利用するようになってきているのである。

このShufoo!のホール関係のチラシを専用で取りまとめているのが、秋葉原に事務所を構えるアイ・エム・シー株式会社だ。同社取締役COOの毒島(ぶすじま)氏に話を聞いた。

「現在、パチンコホールの広告出稿店舗数は4500店舗あります。これはすでにShufoo!に登録している、すぐに広告を出稿できる状態にある店舗の数です。毎月約1500店舗のホール様からご利用いただいております」

Shufoo!のメリットはいくつかある。
・紙による印刷コストがかからない
・印刷がないため最短3営業日で配信が可能
・読売新聞、朝日新聞に次ぐ会員数(約700万人)へアプローチできる
・コンプライアンスの管理

「圧倒的に安いというのが最大のメリットです」と毒島氏は語る。例えば1万部のチラシを外注した場合、印刷と折り込み費用合わせて10万円程度の金額がかかる。金額は非公開とのことだが、それよりは遥かに安い。作成したチラシのデザインをアイ・エム・シーにデータ入稿するだけで済む。

メリットの一つである最短で3営業日の配信を行うためには、あらかじめ登録を完了させておかなければならない。登録にはおよそ5営業日かかるため、初めてShufoo!を活用する店舗は5営業日+3営業日で8営業日かかることになる。とはいえ、紙媒体にはないスピード感だ。

また、パチンコホールのチラシ広告となれば、頭をもたげるのが広告宣伝規制である。これに関して毒島氏は「当社では日遊協監修の広告ガイドラインの基準に則って、入稿データを監修します。基準に反するところがあれば、ホール様に修正をお願いしています。たまに『(紙の)チラシならコレでできるのに、Shufoo!だとなんでできないんだ!』とお怒りになる方もいらっしゃいます。利益を優先させるなら、多少グレーな表現も目をつぶった方がいいかもしれませんが、この部分は徹底して管理しているんです」と胸を張る。

監修といっても、パチンコホールの広告によくある「日付の強調」や「機種を特定する文言」、「日付ゾロ目の数字のみを強調」(例:6月6日など)がNG表現であり、普段チラシを制作するのとほぼ変わりはない。

最後に、毒島氏に聞いた。「P-WORLDに変わるコンテンツになり得るか?」。「店舗の公式ホームページのような運用をされるP-WORLDに対し、Shufoo!はチラシなのでまったくバッティングしません。P-WORLDを見る方はみなさんパチンコをやる方だと思いますが、Shufoo!会員の中にパチンコファンは一部ですからね。普段あまりパチンコをやらない層へのアプローチがメインとなるでしょう」と言う。

スマホやタブレットユーザーが増えてきた昨今、紙のチラシを撒くよりも安く、効率良く広告宣伝ができるShufoo!。すでに4500店舗が登録し、ブームは起きている。気になる方は一度お試しあれ。

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