転職はゴールではなくスタートです/パック・エックス

2016.06.13 / 連載

[連載第12回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
「転職後の新たな環境で悩んだときに思い起こすべきこととは」

こんにちは、パチンコキャリア転職の耳塚です。今回は転職に関して失敗事例について触れていきます。

大手法人に新卒入社後、同期の中でいち早く店長まで昇進されたヤマダさん(仮名)。当時33歳で順風満帆な日々を送っていたのですが、店長から先のポストがどん詰まりでキャリアビジョンがなかなか描けないのが悩みでした。ヤマダさんが勤めていた会社は、離職率が低く年功序列な風土が残っており、30代で店長以上のポストにつくことは難しいと判断したのです。今後のキャリアアップとやりがいを求め、これから本気で会社を大きくしていく、改革していく場所を求め転職活動に踏み切りました。

ヤマダさんはいくつかの会社の話を聞き、5店舗を展開し企業化へ向け改善改革を計画中の企業に入社を決めました。3カ月間の店舗勤務後、本部で全店を統括しながら社内改革を推進していける破格の待遇です。まさしくご本人の希望する形での転職となりました。

しかし、入社後の店舗勤務で前企業とのさまざまな違いを目の当たりにし、わずか1カ月で転職先の企業を退職してしまったのです。

以前の職場との違いはこんなところでした。

【前職】
・入替書類作成や受発注などの事務作業は各店に配置された事務員がすべて請け負っていた。
・日々の営業報告はWEBシステムで管理されており5分も関わらずに終わる。
・アルバイト(社員)の遅刻・欠勤管理は本部で管理されている。
・店舗ごとの決裁権があり、規定予算内であれば稟議は必要ない。
など

【転職先】
・書類作成や受発注など基本的には店長しか出来ない。
→そのような文化、機能がない。つまり教えていないだけ。

・営業報告は紙ベースで30分前後かかる。
→インフラ整備がされていない。つまりわかる人がいないだけ。

・アルバイト(社員)の遅刻・欠勤管理が曖昧
→ルールが明文化されていない。つまりできていないだけ。

・店舗決済は不可能。稟議書や報告書を都度出さなければならない。
→そういう社内ルール。各店長の知識、技量、判断能力を1段引き上げる必要がある。

採用した企業側としては、ヤマダさんに、このような環境の改善や人材育成を期待していました。ヤマダさん自身も同様に、それを望んで転職したはずです。しかし、前職のように整備された環境と転職先の現実を比較し、不満を募らせ、改善改革という本来の目的を見失ってしまったのです。

実はこうした相談は、入社してから早い段階でいただくことが多いです。受け入れ先企業の課題が思っていたよりも難解で解決策が見出せないのです。大半の人が「転職=ゴール」と目的を見失ってしまうのです。

特に前職が大手法人の方の場合、環境の変化に面食らい「前の会社はこうだったんだけどなぁ」と自分も気が付かないうちに「評論家」になってしまうケースも見受けられます。こうなるとせっかくの破格待遇も自ら破棄してしまうというわけです。

このようにならないためには、疑問を感じ悩んだら「自分が何を求めて転職して、企業が自分に何を求めているのか」、当初の転職動機を振り返ってみてください。

重要なことなのでもう一度書きます。転職は新たなスタートです。ゴールではありません。慣れない環境で想像を超えるような障害なども出てくることも多いです。その時はご自身の転職動機を一度立ち止まってよく考えてください。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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