賞金総額1億円のパチンコ大会は可能か!?〜その1〜

2014.05.29 / 連載

5月28日、弁護士ドットコムから配信された記事「なぜ賭け麻雀は違法なのに賞金総額1000万円の麻雀大会は可能なのか?」が、さっそくパチンコ業界でも話題になっている。

4月から開催されている麻雀日本一を決める「全国麻雀選手権」は、賞金総額1000万円。誰でも申し込み可能で、ネット上で予選が行われる。昨年は4万6000人が参加し、今年もすでに2万人以上が予選で戦っているというのだ。

そこで疑問。なぜ、「全国麻雀選手権」および申込者は当局に摘発されないのか。それについて、同記事で賭博法制や風営法にくわしい山脇康嗣弁護士は次のように回答している。「『偶然の勝敗』に関して財物を賭け、その得喪を争った場合、刑法の賭博罪が成立します。ただし、『一時の娯楽に供する物』を賭けたにとどまるときを除きます」。そして「また『財物』とは、広く財産上の利益を指します。『財物の得喪を争う』とは、勝者が財産を得て、敗者はこれを失うことを意味します。当事者の一方が財物を失うことがない場合は、これにあたりません」と指摘。

つまり、当事者同士が財物を賭けなければよいということだ。

そして、高額当選の麻雀大会については①参加者から参加費などのお金を徴収せず、②風営法が適用される業者を主催者にせず、③参加資格や申し込みをオープンにすることで「全国麻雀選手権」は法律上の問題をクリアしているという。

ひるがえって、「全国パチンコ選手権」を賞金1億円で行うことは可能なのだろうか。参加者からお金を徴収しないことで賭博罪の構成要件を外し、たとえばトリプルエー出版が主催者となることで風営法適用を外し、参加申し込みをフルオープンにすることで賞金総額について景品表示法の適用を外す。これで本当に開催は可能になるのか。次回専門家の三堀清弁護士に話を聞く。

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