貯玉再プレイ不要論

2021.01.20 / コラム
二物二価を求める声は、スロットは等価、パチンコは33~35玉交換が理想とされているからだ。実際に二物二価に踏み切った大阪ではスロット5.1枚、パチンコ35玉交換で営業したホールがある。

35玉交換でスタートを20回以上回すようにした結果、パチンコのアウト稼働が上がるようになった。週1で来ていたお客さんが週2~3回に頻度が上がった。

しかし、低価交換でネックになるのが貯玉再プレイの手数料問題だ。2012年4月の警察庁通達で再プレイの手数料を取ることは「遊技玉を金銭として扱うもので、実質換金行為を行っている。貯玉再プレイシステムの利用権を提供することについても、風適法に違反する」と見直しを迫られた。

その結果、今まで取っていた手数料が取れなくなった。等価交換なら手数料問題は全く気にしなくても良かったが、28玉交換なら3玉、35玉交換となると10玉の差額分のホール負担が発生する。

脱等価で11.2割分岐営業になったが、35玉交換で14割分岐営業ともなると、手数料負担が後々ボディーブローのように効いてくる。

低価交換で手数料を取らないとどういうことになるか? 例えば昔の35玉交換の場合、100円で25玉を貸し出して、交換時は35玉で100円になる。ホールには35玉-25玉=10玉分の換金差益の40円が収益となる。35玉分140円を再プレイで手数料を取らないと40円分ホールが損することになる。
 
しかも、再プレイで遊ぶ客と現金で遊ぶ客とでは手数料を取らなかった場合、40円分の
差があるということだ。有利に遊べる客と不利になる客との差が生まれる。現金客は有利
に遊ぶ貯玉客の負担をしていることにもなる。
 
手数料を取らないということは、公正、公平の原則が崩れるだけでなく、不利な客はパ
チンコから足を洗って行くことになる。

貯玉再プレイについては日報のコメンテーターが次の様に批判している。

「このシステムは、専業がアツい日だけ来てハイエナすれば、お金を使わずに出玉を増
やせるんですよ。複数人で毎日複数ホール回るだけ。貯玉でおカネを使わない=売上か上
がらない。売上にならない専業にひたすら出玉を提供するシステム。それが貯玉再プレイ
です。その分普段来るお客さんには負けてもらわないといけません。これが良いシステム
だと思いますか?」

14年前、地方から大阪市内に出店したホールは、上述したような理由から貯玉再プ
レイを導入していない。

「ウチが4円、20円が強いのはグランドオープンした時から貯玉再プレイシステムがない
からです。ウチは28玉交換ですが、お客様には『再プレイされるたびにウチが3玉分損
しているんですよ。この3玉分の差が1年積もり積もると営業利益も立たないので、回すことも設定を入れることもできません』と説明すれば、大抵のお客さんは貯玉再プレイシス
テムがないことを納得してくれます」(店長)

低価交換で手数料を取るな、というのであれば、現状では貯玉再プレイを使わないことになる。

「10年前から貯玉再プレイの不要論を唱えています。最初は顧客の囲い込みのための貯玉システムも全店が導入すれば、差別化にもなりません。第一、貯玉で遊ばれたのでは売り上げも上がらない。11.2割で手数料を取らないというのは1万円分を9000円で遊ばせている。100人なら10万円分をホールが負担している」(2代目ホールオーナー)

換金合法化を餌にインのクリアがプリペイドカード導入ならアウトのクリアがこの貯玉再プレイシステムだった。

有名無実となったプリペイドカードのように、貯玉再プレイもそろそろ止めてもいい時期に来ている。




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