苦境が続くマカオのカジノ

2014.09.22 / カジノ

6月から3カ月連続で前年割れが続いているマカオのカジノ収入は、しばらく改善しないだろうとの見方が強まっている。カジノ関連メディア「GGR Asia」によれば、ドイツ銀行が9月22日に発表した最新レポートで、9月もカジノのVIP市場の後退は継続し、さらにはマス(一般)市場も急激な減速の可能性があると報告している。

同レポートは、マカオのカジノ収入の約3分の2を占めるVIP市場の収入が、8月には前年比で17%減少し、9月も25から30%減少する可能性があると報告。一方、これまで順調に右肩上がりを続けてきたマス市場においても減速感が顕著に現れている。今年上半期(1~6月)におけるマス収入は、前年比32%増であったが、7月と8月は約15%増、9月は10%程度の増加にとどまると予測。10月に至っては同月6日から開始されるマスフロアの全面禁煙の影響で0%成長もあり得るという。

VIP市場の減速は、中国中央政府の反腐敗運動の強化による賭博客の減少などが主要な原因とみられる。現在、富裕な中国人賭博客は政府の監視の目を逃れるためマカオへの渡航を避けており、代わりに他の国や地域のカジノを訪れる傾向にある。9月18日付の香港紙「サウスチャイナモーニングポスト」によれば、カジノの顧客仲介業者であるジャンケットオペレーターたちがマカオを避け、顧客を豪州や米国、欧州、フィリピンなどのカジノに誘導しているという。実際に、米ラスベガスのストリップ地区では、今年1~7月までのカジノ収入が3.7%上昇。特に中国人客が好むバカラの収入は14.4%増と突出した数値を示している。

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