若者が手を出さない産業は衰退する中で次の一手とは

2020.01.05 / コラム

パチンコ業界だけでなく、若者が手を出さない産業は衰退する運命にある。

ギャンブル産業の中で一人負け状態なのが宝くじだ。

12月30日付の産経新聞で次のように報じられている。

ピークの平成17年度に1兆1047億円を記録した後は毎年のように減少。24年度以降は1兆円を超えることはなく、29年度は7866億円と20年ぶりに8千億円を割り込んだ。

一方、公営ギャンブルの競馬は中央・地方ともに24年度以降は売り上げ増が続き、地方競馬は昨年度、19年ぶりに6千億円台を回復。競艇も22年度に8434億円で底を打つと昨年度は1兆3727億円にまで回復するなど、宝くじとは対照的な状況だ。

管轄する総務省の担当者は、売り上げ減の要因に若年層への浸透不足のほか、公営ギャンブルよりもインターネット販売が出遅れている点を挙げる。

苦境の打開に向け、運営側は30年10月、宝くじの9割以上でネット販売をスタート。その場で削って当たりが分かるスクラッチくじは1つの窓口で常時3種を目標に販売する「多併売化」も打ち出す。

また、思わぬ援軍も出た。人気アイドルグループ「Kis-My-Ft2」(キスマイフットツー)のメンバーが自身のバラエティー番組内で宝くじを買う企画に継続的に挑戦。宝くじ事務を委託されるみずほ銀行によると、番組に取り上げられた宝くじの売り上げが一時3割増になったといい、担当者は「視聴率も良いようでお互いにうまくいっている」と話す。

以上引用おわり

ゴルフもしかり。若者がゴルフをやらないためにゴルフ人口は減り続けている。レジャー白書によると2018年度のゴルフ人口は670万人で、最盛期だった2001年の1340万人からは半減となっている。

若者がゴルフをやらなくなった理由は、まず足となる車を持っていない、ゴルフ用具が高い、プレイ代が高い、ルールー、マナーがうるさいなどの要因が若者を遠ざけている。

若者が来ないなら、どうするかというとやはり狙うのは時間に余裕があるシニア層にアプローチをかけることになる。平日割安のプランを提供したり、ポータルサイトでお得な直近プランを掲載してプレゼントを付けたりとあの手この手の作戦を展開する。

さらに、新たな集客戦略として着手したのがインバウンド対策だ。2018年には一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会と一般社団法人日本ゴルフツーリズム推進協会が主催するゴルフツーリズムセミナーが文部科学省内の講堂にて開催された。

年々インバウンド客が増える一方で、日本国内のゴルフ場の数やゴルフ人口は減少が続いている。レジャーが多様化するなか市場規模が縮小しているゴルフ業界で、インバウンド客をどう取り込んでいくかが課題となっている。

具体的に行動を起こしているゴルフ場もある。兵庫県内のあるゴルフ場は、送客のためにマレーシアの7コースと業務提携を結び、昨年11月、マレーシアから48人が参加して、総勢100人あまりで親善マッチを開催した。ゴルフは滞在型で周辺の観光も期待できるために自治体もツーリズムゴルフを後押しする。

事例としては少ないが、若者が興味を引くタレントを使って番組とタイアップしたり、若者がだめならインバウンドを開拓する…。何よりも大事なことは行動に移すことだが、パチンコ業界は目の前のことで精一杯なのか、中・長期ビジョンの中でも新規客開拓の動きは見られない。





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