自由度が高すぎるコンビニYショップを始めたホールオーナー

2019.10.24 / コラム

ホールオーナーが将来を見据えて、新規事業として始めたのがYショップだ。これは山崎製パンが展開するコンビニのフランチャイズだ。

「何だ、コンビニか」と片付けてしまいがちだが、これが“自由度”が高すぎるコンビニとして注目されている。

大手コンビニともなると本部が建物を用意した場合は、粗利の6割以上をかっさわれるようだが、月額のロイヤリティーは3万円。山崎製パンの商品を一定量仕入れることが必須条件となるが、それ以外は何を売ろうが、オーナーの自由。恵方巻やクリスマスケーキなどの催事商品の販売ノルマもなければ、24時間営業を強制されるなどの本部からの制約はない。

山崎製パンのホームページにはYショップについて次のように紹介されている。

「オーナー様と共に地域で愛されるお店づくりを目指していきます。コンビニエンスチェーンのようなフル機能を装備していませんが、豊富な品揃えと、他店との差別化を図るヤマザキならではのサポート体制であなたのお店を応援し、オーナー様が頑張った分だけ利益につながる運営システムです」

「パン・和洋菓子・米飯・調理パンを主力マグネットとして、その他カテゴリー別の売れ筋商品の品揃えを図り、地域密着型の商売に徹した店舗です。若い人からご家族連れ、お年寄りまで地域のお客様が気軽に立ち寄れて、親しみやすい会話が交わされる、アットホームな店づくりがYショップの理念です」

中古レコードを扱っているYショップでは、中古レコードの売り上げが全体の3割に達しているケースもあれば、中古車を販売している店舗もある。休みの取り方も自由なので連休を取って家族で旅行に行くオーナーも。

この自由さを将来のあるべきパチンコホールの姿と重ねながら、ホールオーナーはYショップを始めた。

「大手コンビニはオーナーよりも本部が儲かるシステムになっていたが、そこに歪が出てきて社会問題になっている。Yショップはやっていて楽しい。ホールもただ、遊技機を提供するのではなく、それ以外にお客さんが必要とするものは何でもあった方がいい。そのヒントをYショップをやりながら探しているところです」(ホールオーナー)

かつて、「よろず相談されるホールとなれ」というタイトルのエントリーを書いたことがある。あるべき姿のはずが、テーマが客のおばあちゃんから液晶テレビのことを相談され、店長がネットで安い店を調べて注文して喜ばれた、という内容だった。ところが、コメント欄は炎上し業界人からも大批判を受けた。

Yショップの経営理念同様、地域密着型のアットホームな店づくりの結果は、親しみやすい会話に溢れ、色々な相談事もされるような店でもある。








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