秋元司議員を逮捕、収賄の疑いで特捜が10年ぶり現職議員逮捕へ

2019.12.25 / カジノ

自民党のパチンコ議連(風営法改正議連)メンバーである秋元司衆院議員について、東京地検特捜部が逮捕状を請求し、本日12月25日に逮捕した。
各局の報道によると、特捜部は12月24日中に逮捕状を請求しており、国内IR参入を目指す中国企業から不正に数百万円を受け取った収賄の容疑があるという。

逮捕状請求の一報が出たのち、直後の25日午前10時頃に秋元容疑者はTwitterとFacebookで「不正には一切関与しておりません。」と潔白を表明。また、前述の中国企業の日本法人関係者が国内へ無届けで現金を持ち込んだ、外為法違反事件の関係先として家宅捜索を受けた直後の12月19日にも関与を否定するツイートを投稿している。

 

特捜部が現職国会議員の事務所及び議員会館に家宅捜索に入ることは異例のこと。加えて特捜部による現職議員の逮捕は、2010年の小沢一郎民主党幹事長(当時)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で逮捕された石川知裕元議員から約10年ぶりのこととなる。

秋元容疑者については今年初めから、東レの不正取引に関してヤミ金業者の代理として東レの日覺昭廣社長に1億2000万円の支払いを求める電話をかけ、これが弁護士法違反の疑いがあることが週刊文春によって報じられた。さらに夏頃には詐欺事件で逮捕されたコンサルタント会社社長との親交が発覚し、同社長が秋元容疑者のパーティー券購入を周囲に勧めていたことから特捜部による身辺調査が開始されたという。

調査が進む中で秋元容疑者がIR担当の内閣府副大臣を務めていた期間に発生した前述の外為法違反事件が発覚し、今回さらに秋元容疑者側が不正に数百万円を受け取った収賄の疑いが深まったようだ。

 

パチンコと政治の関係に詳しい業界関係者は「秋元議員は確かに今年の参院選挙でもおだち氏立候補に深く関わる人物でパチンコ業界との関連は強いです。しかし、近年ではIR担当大臣のポジションが大きく、今回を含めカジノのイメージが強い印象です。今回の事件が中国IR相手の裏金ということで、世間的にはカジノのイメージダウンにつながるでしょう。パチンコ業界からの裏金じゃなかっただけよかったですよ、ホントに」と語る。

 

パチンコ議連のメンバーであり、IRとカジノにおいても大きなポジションについていた秋元容疑者の逮捕が各界に与える影響は計り知れない。年内でのみなし機撤去、1月末の高射幸性遊技機の設置15%以下と相次ぐ試練を抱えるパチンコ業界にとって、このタイミングでのイメージダウンは痛手になるだろう。

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