神保美佳コラム「2016年の販促品を振り返る」

第６３回神保美佳のマニアックコラム「パチンコグッズ・パラノイア」

2016年も、あっという間にあとわずかとなりました。今回は年内最後の更新ということで、今年の販促品について振り返ってみたいと思います。

ここ数年、パチンコ業界では参加人口やホール軒数の減少が続いており、老舗メーカーの破綻といった大きな事件まで起きています。新機種も多数の設置が見込めるものはごく一部となり、各社「様子見」的な販売戦略をとることが、今後ますます増えそうな見通しです。そんな状況は販促品にもじわじわ影響しているようで、お金をかけて手の込んだものを作るよりも、既製品にラベルを付けたりアイデア勝負をして来たり、いかにもこの時代だな〜なんて思うこともしばしば…。

そんな中ではありますが、健闘ぶりをクローズアップしておきたいグッズを、いくつか振り返っていきましょう。まず、今年も引き続き平和系の販促品がけっこう凝っていて、印象に残るものが多かったと思います。2月には『CR逆転裁判』のチロルチョコ（写真1）で「小当りRUSH」を表現したり、『CRドラム黄門ちゃま』（7月）ではゴルフ好きの方がパター練習に使えるユニークなカップも印象的でした。さらに11月の『CR戦国乙女花』では、新キャラ「千リキュウ」にちなんだ湯飲みセットまで。こういう“小技”の効いた販促品は嬉しいものです。

小技といえば、かなり異色だったのが10月の『CR ぱちんこGANTZ』販促品の「球体型製氷皿」（写真2）。原作では黒い球体が大きなポイントとなっており、それをイメージした丸い氷が作れるグッズとのことですが、最初見た時は全く何に使うものか分からなかったほど…！　この手のグッズって、自分が知る限りの販促品では初めてではないでしょうか？

そして、11月以降にも「やられた！」と思った販促品が連チャンで登場。一つは『CR豊丸とソフトオンデマンドの最新作』の「トランプ」（写真3）、そしてもう一つが『CRおそ松さん』の「痛バッグセット」（写真4）です。トランプの販促品はこれまでにもいくつか配布されており、ここでもご紹介しましたが、豊丸のものはセクシー女優が100人以上も登場したり、ちょうど「トランプ現象」と時期が重なっていたりして、個人的には今年一番の出来だったと思います。

来年は、個人では前回書いた通り『CRおそ松さん』に触発されたパチンコマニア的な「痛バッグ」に挑戦してみたいと思っております（笑）。そして業界が何とか元気を取り戻して、さらにユニークで楽しい販促品を作ってくれることを祈っています！

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神保美佳（じんぼ・みか）

1990年、パチンコ好きが高じてOLからパチンコ業界誌記者に転身。93年にフリーとして独立。以降、「パチンコ必勝ガイド」やスポーツ新聞、一般誌、業界誌などで活躍。パチンコ関連グッズコレクターとしても有名で、これまでにパンフレットや遊技機の部品、展示会のお土産など数千点を収集。著書に「パチンコ大図鑑777」（白夜書房）、「パチンコ年代記」（バジリコ）など。ブログ「Pachinko MANIAC WORLD別館〜気まぐれ日記〜」も随時更新中。