社員のセカンドキャリア~独立支援につながるFC

2019.09.17 / コラム

ホール企業が新規事業として参入するのは飲食業界が多い。それを自社開発にするかFC加盟にするかは判断の分かれるところだが、FCならノウハウがなくてもすぐに開業できるメリットがある。

飲食FCの中でオペレーションが極めて簡単なので、あるホール企業が1年間で7店舗出店したのが油そば専門店の「歌志軒」だ。

油そばとは、汁なしラーメンとも呼ばれ、スープに頼らずタレと油で麺を食べるラーメンにカテゴライズされている。

デフォルトはチャーシュー、メンマ、ネギ、ノリが乗って650円。



これに自分の好みで別売のキムチ、チーズ、チャーシュー、明太子、半熟卵、キャベツ、トマト、ノリ、青ネギ、白ネギ、魚粉、梅干し、カレー粉などをトッピングしていく。トッピング(20円~200円)によって客単価もアップする。





自分で選んだトッピングがインスタ映えするのでSNSにアップする女性客も少なくない。一般的なラーメン屋では1人で来店する女性客は10%ほどだが、歌志軒では35%、と女性にも人気だ。

油そばがどのようなものなのか、理解していただいたところで、FCの説明に移ろう。最初に油そばはオペレーションが簡単と書いたが、ラーメンの命とも言われるスープづくりが不要なため、仕込みも開店30分前で間に合う。営業外労働時間が少ないので、従業員の負担が少ない。

食材はFC本部のセントラルキッチンで作られたものが配送される。作り方は麺を茹で、タレと油を入れてトッピングするだけなので、本格的な修行も不要で誰でも簡単に作れる。調理時間は5分ほど。

お客さんは出てきた油そばにラー油と酢をかけて、混ぜてから食べる。スープがないので5分ほどで完食する。10分で1回転する。

スープがないということは豚骨ラーメンのような、嫌な臭いが出ることもないので近隣からのクレームもない。必要なものを必要なだけ発注できるので食材のロス率もほぼない。

スープを作らないので厨房機材も麺を茹でる鍋と冷凍、冷蔵庫があればいい。火を使わずにオール電化でも調理できる。

ホールでFCを始める場合、家賃をかけないようにするには、店内のオープンスペースがあれば、そこを活用することもできる。ちなみに最低スペースは7坪から。また併設する飲食店を油そばに業態変更する方法などが考えられる。

初期費用は一般的なラーメン屋が約2300万円かかるのに対して歌志軒は約1000万円(20坪)。

内訳は次の通り。
①加盟金230万円
②改装費450万円
③厨房機器160万円
④本部備品150万円

※加盟金の中には開業前の300時間のスタッフの研修費用、開店後のアフターフォロー100時間分が含まれている。

売り上げ目標は月商300万円。ランニング費用の目標値は食材費30%、人件費30%、ロイヤリティー5%、水道光熱費5%で合計80%で、20%の利益が残る。

利益目標値は300万円×20%=60万円 
60万円×24カ月=1440万円

2年で回収して1440万円が残るビジネスモデルでもある。

「ホール社員のセカンドキャリアとして配置転換し、成功すれば2年後をメドに店長自身が店を買い取り、独立することをオススメしています。61歳で始めた女性オーナーは現在64歳で厨房に立っていますが、定年退職後でも始められるビジネスです」(パック・エックスイノベーション・吉松真CC事業部責任者)

飲食業は5年の壁がある、と言われ、1~2年で撤退するケースが多い。5年の壁がある中、歌志軒は開業から9年で国内57店舗、中国13店舗、シンガポール4店舗、アメリカ2店舗(契約済み)をFC展開している。

油そば専門店歌志軒のFC加盟に関するパチンコ業界の問い合わせ先は、パック・エックスイノベーションまで








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