知人に誘われて転職したのに退職していた!/パック・エックス

2016.07.11 / 連載

[連載第16回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
「知人の紹介による転職」に潜むリスク

こんにちは。パチンコキャリア転職の耳塚です。今週も転職のタメになる話をしていきたいと思います。

先日、過去にご転職相談をされたマツモトさん(仮名)から「改めて相談したいことがある」と連絡があったのでお会いすることになりました。最初に相談に来た時から約1年が経過した頃のことです。改めて内容をうかがってみると、やはり転職の相談でした。

最初にマツモトさんがご相談に来た時は、「勤めていた企業の将来性や今後のキャリアビジョンがなかなか描けない」という理由からの転職活動でした。その時のご本人は店長経験者ということでプライドもあり、職位と年収面に拘って転職活動をしておりました。

即店長というわけにはいきませんが、ある程度の猶予(試用)期間があればキャリアアップのチャンスはあります。そんな企業をいくつかご紹介したものの、スタート時の待遇面にどうしても理解を示せず、結果的に知人から紹介された企業の選考を受け、高待遇(即店長、前職の年収保証)提示のあった企業へ入社。しかしその企業は結果にシビアで早期に成果を出せない場合は、降格や減給を即座に行う傾向にあり社員定着に関しても不安定な環境でした。

マツモトさんは、入社後1、2カ月は比較的順調だったようですが、次第に経営陣からのプレッシャーが大きくなり、半年経過した頃には目標とする業績を上げられず、職位は降格して年収も大幅に下がってしまったようです。以降、昇格のチャンスは得られず不遇の日々が続き、改めての転職相談に来たというわけです。

考えられる失敗のポイントは2つあります。

①「知人にとって良い企業=自分にとっても良い企業」ではないこと

知人の方は店長として年収800万円をこえる待遇で勤め、次期経営幹部候補に位置付けられていたようです。マツモトさんとしては、知人と同等、もしくはそれ以上の経験値を持っていると考えていました。自分も同じくらいの立ち位置には早いうちに行けるだろうと思っていたようです。が、実際はそうはならなかった。そもそもですが知人が成功しているからと言って当事者も成功するとは限りません。

②「知人の紹介だからこそ慎重さとリスクに対する覚悟」が必要

「自分ひとりじゃない」という安心感と目先の待遇を重視しリスクを度外視した点。マツモトさんは、入社した企業の文化や体質は知人から少なからず聞いていたようですが「正直甘く見ていた」とおっしゃっていました。知人から紹介受けた→入社したら聞いていた話しと全然違う→でも知人の紹介だから意見しづらいというのが、転職失敗の王道パターンです。それ以外にも、「入社したら紹介してくれた知人は退職していた」というケースもよくあります。実はマツモトさんもこのパターンでした……。ちなみに、それ以降知人と連絡が取れなくなったとか。その人の本質、関係性にもよるかもしれませんが、最悪のケースはこれまでの関係性が崩れるという点にあります。

この企業がブラック企業とは言いませんが、リスクを踏まえ強い覚悟をもって働くならまだしも、知人から紹介を受けてリスクを踏まえず安易に判断するのは大変危険です。さらにいえば提示された高待遇は、その人の評価や期待値に対しての提示であるのかという点。高待遇を提示しないと働くという人が出てこないというケースも当然あります。

転職活動において活用できるリソースは積極的に活用すべきで、知人からの紹介も勿論選択肢のひとつです。マツモトさんの最大の失敗要因は「何のための転職なのか」を見失ってしまったこと。当サービスや他サービスは勿論、知人の紹介含め企業選びの本質は自分の動機に行き着きます。この失敗事例は本当に多く、しかも知人が絡むと当人は盲目になりがちです。いろいろな方の助言やアドバイスに耳を傾け、本当に自分の動機や目的に合致しているか、選択していくうえで譲れないもの、譲れるものが何かを客観的に判断する努力が必要です。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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