玉箱換算から勝ち負けの金額換算が意味すること

2019.12.26 / コラム

ケンタッキー・フライド・チキンでアルバイトしている女子高生が、クリスマスプレゼントで店から13ピースをもらった。家族は両親と3人暮らし。

お父さんは1ピース、お母さんは2ピース食べた。残り10ピース。レンジでチンして熱々にしたが3ピース食べたところでお腹一杯になった。それ以上は入らなかったが、「こういう時にコーラがあれば、もう1ピースぐらいなら食べられるよね」と娘が発した言葉が引っかかった。

お父さんは50代。パチンコ歴は30年以上。

「昔はパチンコを毎日やっていても楽しかった。仕事帰りに3~4時間打っても疲れなかったのに、今は何時間も打っていられなくなった」と言う。

今やすっかり1パチ派。何時間も打っていられない原因を考えた。

昔に比べると遊技機から発せられる効果音でうるささが格段にアップしている。当たりもしないロングリーチを見らされるのも苦痛だ。

「そうだ、何時間も打っていられないのは機械に原因がある」と結論付けた。

「ケンタッキーは口直しにコーラがあれば、また食べられる。パチンコも長時間打っても疲れないコーラのような中和剤が必要だ! 気分転換になってまた打ちたくなるものをメーカーは考えるべきだ」とお父さんはメーカーに注文をつける。

こうした客からのウォンツが商品開発のヒントになるものだ。

商品開発のヒントになる話をもう一つ。

店長歴20年のAさんは、客の会話が「何箱出た」から、「いくら負けた」の金額ベースに変わっていることが引っかかっている。

各台計数機の普及で玉積みがなくなる中で、玉箱換算をしようにもできなくなった。

Aさんの店では写メがない時代、10箱出したお客さんの記念写真をポラロイドカメラで撮影してプレゼントした。

この企画は案外好評だった。10箱出したことを自慢したいお客の心をくすぐった。お客さんの中には箱は満タンにしないで8分目ぐらいにして、10箱になるようにするぐらいだった。

勝ったことは箱で計算していたが、勝ち負けが金額ベースになると、お客さんも冷静になってくる。これがパチンコが衰退する一因ではないかと考えるようになった。

各台計数機は省力化の決定打で人手不足の解消にもなるが、アナログ世代にはマイナスでしかないような気もする。玉やメダルが外に一切出ないことは、達成感を求めるお客さんのためになるのか? 管理遊技機、メダルレス遊技機時代の到来を不安視するホール関係者も少なくない。








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