業界関係者の下に届いた台打ち仕事の詐欺メール

2019.11.03 / コラム

大当たりの出やすい設定のパチスロ機を教えたなどとして、宮城県警仙台中央署は20日、石巻市の元パチンコ店員の男(40)と、その友人で仙台市若林区の男(50)を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで仙台地検に書類送検した。男はこの情報をもとに420万円以上を得ていた。

このニュースは9月に報道されたものだが、いわゆる設定漏洩であるが、この設定漏洩同様になくならないのが台打ちバイトの詐欺メールだ。

この事件が報道された後を狙い撃ちするかのように以下のメールが業界関係者の下に届いた。



日給5万円以上のホール公認の台打ちの仕事なんかあるわけがない。これは明らかに詐欺メールだ。

しかし、設定漏洩によって420万円以上稼いでいた事実とウチコ軍団による打ち子のバイトは日給8000円~1万2000円ほどで実在することがこんがらがって来ると、詐欺メールでも引っかかる人はゼロではないから、詐欺はなくならない。

現在このURLは閉鎖されている。

ホール公認の台打ち系詐欺の場合、連絡してきた人に「パチンコ屋と提携しているから、どこのパチンコ屋の、どの台がいいかわかっている。もし不利益を被ってもなんとかできる」と言葉巧みに誘い込み、「厳選な審査をパスした人、厳選された人だけができる仕事」と優越感をくすぐる。

厳選な審査と言っても電話で何度か話した程度で、選ばれた人と思い込ませると、ここから詐欺軍団が牙をむく。

ここから保証金の話になり、保証金が高いと月額報酬が300万円は固いが、保証金が少ないと取り分も少なくなる、とメリット、デメリットを説明する。

保証金のランクは松竹梅の3ランクで松は100万円以上、竹は60~90万円、梅は30~50万円となっている。

こんな大金は払えるわけもないが、「権利が他の人に移ってしまう」と即決を畳みかける。梅ランクで申し込もうとすると、取り分が少ないので、と言葉巧みに松を契約させる。

保証金はサラ金から調達させ、振り込ませる。

打つときの手順なども教えられるが、指定された台で打っても大当たりしないと、「手順が間違っているから」と逃げ口実が出てくる。

そのうちに連絡が取れなくなり「詐欺だった」と気づく。

警視庁が振り込め詐欺被害者318名を対象に行った調査では、全体の92%が「自分は大丈夫だと思っていた」または「考えたこともなかった」と回答。つまり、被害者の大半は、「自分にかぎっては被害に遭わない」と高をくくっていたことが分かる。

「自分だけは大丈夫」という思い込みは心理学で「楽観バイアス」と呼ぶ。楽観的に考える思い込みを詐欺師は狙っている。









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