林秀樹「得てしてド底辺ホールは計数管理に弱い」

2016.08.20 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(71) 数字に強くなれ!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。

今年のお盆営業は厳しい売上、稼働という結果が多かったようです。「オリンピックのせいではないか」という声も聞こえますが、そもそも7月最終週あたりから売上、稼働がイマイチだったこともあるので、やはりパチンコ業界全体の活気、元気がなくなっていることが原因だろうと思います。

さて、そうは言っても今の状況を改善していかなければなりません。そうなると売上回復のための「仕掛け」を用意しなければいけませんが、「仕掛け」にはコストがかかるものなのでそのための原資が必要です。この連載では何度もお伝えしていることですが、だからこそまずは「利益」という結果を残していかなければいけないのです。

ところで利益を残すためにはしっかりとした計画と、その計画を遂行するための遊技機管理、つまり「計数管理」が必要です。しかしド底辺ホールでは得てしてこの計数に関する知識と意識が不足しているように感じます。言葉は良くないですが「適当」なのです。

この計数管理、ド底辺ホールでは以下のような傾向があります。
・計画数値に根拠が薄い
・遊技機の使い方が結果論

つまり数字に対する意識が、「作る」(=能動的)のではなく「受け取る」(=受動的)という姿勢になっているので、すべてがリアクション、対処療法になってしまい常に後手後手に回ることを意味します。これでは自分が主体的に行動できるはずがありません。

このような事態を打開するためには、今一度計数管理をしっかりと基礎から学習し直すべきです。強豪と呼ばれる店舗の役職者、管理者は総じて計数(数字)に強い方が多いです。ド底辺ホールは機種構成や出玉では強豪と同じレベルになることはできませんが、自分の知識量は自分次第で並ぶことは可能ですし、もっと言えば上に行くことも可能です。

ホールコンピューターの数字を見ているだけでは絶対に数字に強くはなれないです。計算式の成り立ちと意味を一つ一つ理解して、自分で計算ができるようになって初めて、こちら側で能動的に数字を扱っていけます。計数管理は、例えば接客や店舗の雰囲気といった客観評価がしにくい分野とは異なり明確に知識量が成果に直結するので、強豪とのレベル差を自分の努力“だけ”で埋めることができる数少ない分野なのですよ!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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