東京に比べて地方は全然回らない

2019.09.26 / コラム

写真は東京・吉祥寺サンロード商店街で、ここでの出来事。



中高年の女性2人が何かを道行く人に尋ねているところに出くわした業界人がいた。

パチンコをしていそうな人に見えたのか、こう聞いてきた。

「景品交換所を教えてくれませんか?」

持っていたのはTUCの特殊景品で大賞品(5500円)1個、小賞品(1000円)が1個の計6500円分だった。

二人は岩手県から夏休みで東京へ遊びに来た親子だった。

母親は60代、娘は30代。

昨日は東京ディズニーランド、明日はサンリオピューロランドへ遊びに行く予定で、今日は府中と吉祥寺でパチンコを打っていたとのこと。

府中のホールで勝った。その時、「東京はどこでも景品交換ができる」と聞いた。特殊景品を持ったまま、吉祥寺のホールで打ったが今度は負けた…などと言うことが立ち話の中から分かってきた。

「なぜ、府中へ行ったんですか?」

「競馬が好きなんで競馬場が見たくて。東京って回り方が全然違いますね。1000円でこんなに遊べるとは思いませんでした。岩手の田舎ではこんなに回りません。1パチで岩手なら1000円で10回回ればいいとこですが、東京なら15回は回ります。岩手に15回も回るようなところはありません。東京はいいですね」

そんな話を聞いているうちに、「ボクが買い取ってあげます」と申し出た。交換所を教えるよりも手っ取り早いので6500円を渡した。

人口が集中する東京と過疎県のパチンコ営業の一端を垣間見た思いがする。パチンコ人口が少ない中で利益を出すには、回転数を落とすしかない。そんな営業を続ければ当然客足は遠のく。そうなればますます回転数は落ちる。負のスパイラルに陥るだけだ。

ハンドルネーム「窓口の姐」さんは、東北は秋田県のホールの景品交換所に勤務。2014年4月から日報にコメントをいただいている。景品交換所勤務は8年目でそれ以前はホールのカウンター係をしていた。業界事情には詳しい。彼女のコメントから地方ホールのもがきが見えてくる。

秋田のホールでは2017年ごろからクリスマスから始まり正月4日間まで夜12時までの1時間延長営業を始めた。そして盆も1時間延長営業が行われる。

「12時まで残って打ってるのは常連さんが数人だし、経費の無駄だから全県やめた方が良いかと。電気と人件費の無駄だから、やめるべきだ」とコメントしている。

営業時間を延ばせば売り上げが上がるという考えだ。大手が先行したのを皮切りに県下に波及したようだが、費用対効果は出ていないようだ。











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