政治家の3店方式はグレーのままでいい。そのこころは…

2019.10.17 / コラム

態度を保留していた横浜市の林文子市長が、IRカジノ誘致を正式に表明した。これまでカジノ誘致を「白紙状態」と訴えて一昨年三選を果たしただけに、市民からは猛反発を受けた。中でもハマのドンと呼ばれる藤木幸夫・横浜港運協会会長に至っては「山下ふ頭をバクチの街にはしない。命を懸けて反対する」と息巻いている。

横浜市がIR誘致に名乗りを挙げた途端、大阪・夢洲に参入を表明していたラスベガス・サンズが突如、大阪をキャンセルして横浜・東京に乗り換えを表明した。

サンズのアデルソン会長はトランプ大統領の大口献金支持者でもある。蜜月の安倍~トランプルートを通じて、何らかの有力な情報を掴んだために大阪から撤退したものと思われる。

カジノ関係者によると「サンズの大阪参入は宣伝のつもりでぶち上げていただけ。最初から首都圏狙い」と話す。

昨年11月12日、Net IB NewsがIRの設置第1号は東京の築地市場跡、と報じた時、オペレーターはトランプ大統領の大口献金者のアデルソン氏が経営する「ラスベガス・サンズ」と日本のセガサミーのコンビになるのではないか、と観測記事を流した。確かにラスベガス・サンズは首都圏狙いであることが伺われる。

「3カ所の枠を狙って政治家が動き出しましたね。横浜は菅官房長官の地元で林市長は菅さんのポチと揶揄されています。和歌山のバックには二階幹事長が付いています。福岡出身の麻生副総理は九州(長崎)に誘致したい。維新が推す大阪は、憲法九条改正の交換条件で自民党との裏取引になりますね」(永田町ウォッチャー)

カジノ調査を行うシンクタンク関係者によると、日本にカジノができたら行ってみたい層はパチンコ客が一番多い、と言う。

入場料6000円と言うハードルを越えても行きたいのは、パチンコ業界で重要な4パチ、20スロ客でもある。

「カジノで1回負けるとひと月はホールに来られなくなる。カジノ周辺のホールは多少なりとも影響を受けるでしょう。カジノができるとパチンコの立ち位置は1パチ、5スロの低貸しが決定的になる。パチンコ業界はこの前の参院選で自民党とくっついたことで、自民党が推進するカジノに反対できなくなった。パチンコ業界の利益はカジノに反対することだった」(シンクタンク関係者)

自民党にくっつこうがくっつくまいが当初からカジノ反対の声を上げる余裕もなかった。広告宣伝規制や撤去問題でそれどころではなかった。もっともパチンコ業界が反対したところでどうにもならない。

「パチンコ業界が生き残るには、カジノにない魅力を打ち出し、ホールを魅力的にするしかない。パチスロにはボタンが付いているが、カジノのスロットはレバーだけ。カジノより楽しい遊技性を目指すことです」(同)

前出の永田町ウォッチャーはこんな物騒な話をする。

「3店方式はグレーのままでいいと考えている先生もいる。その心は、パチンコはいかがわしいものにして、クリーンな業界にしたくない。カジノ解禁後はギャンブル問題で叩かれるのはカジノではなく、パチンコにしたいから」










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