戦略を話せないなら、それはコンサルタントとは言えない
2020.01.22 / コラムこんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。
2019.11.22に寄稿させていただいたコラムにて「パチンココンサルって何なの?」というお話をさせていただきました。
「結果を出すのはお店であってコンサルは支える立場なのに、どうもパチンコ業界のコンサルはそうじゃない。それは違うのではないか。」という内容です。
今回はこの内容をもう少し突っ込んで考えてみたいと思います。
「パチンコ業界のコンサル」にはいろいろなタイプの方がいます。
①新機種の情報を提供するコンサル
②導入後のデータを提供するコンサル
③業界動向を発信するコンサル
④スロットの設定をするコンサル
⑤イベントの実施を仕掛けるコンサル
ほかにもいろいろありますが、概ねこの5つの類型に分けられると思います。
どの類型のコンサルにも著名な方がいてパッと名前が浮かびそうです。
さてこれら5つ、本当に「コンサルティング」と言えるでしょうか。
改めて「コンサルティング、コンサルタント」を辞書で確認してみます。
コンサルティング:経営や活動について指導すること
コンサルタント:指導、助言をする専門家
(三省堂ウェブディクショナリーhttps://www.sanseido.biz/より)
つまりコンサルティング(コンサルタント)とは、
・経営(営業、活動)についての指導と助言をすること(ひと)となります。
では改めて上記①~⑤の提供しているものや役割を確認してみます。
①・・・事実の紹介
②・・・結果の紹介
③・・・コメンテーター
④・・・実務者
⑤・・・プロデューサー
という位置づけになると思います。
コンサルタントの仕事は企業からの依頼により問題点を調査、分析することで原因を追究し、戦略を立てて方向性を示すことです。実務上の解決策は個別案件により条件も違うので、立てた戦略に沿った戦術を組み立てるのは依頼者になります(ただし戦術策定にはコンサルタントが加わることが多い)。
上記①~⑤のどれがこのような活動に合致するでしょうか。どれも、戦略を立てるというよりも戦術の実施ばかりです。
上記①~②は単に情報を右から左に流しているだけです。
もちろん、そこにこれまでの経験を加味しての「評価」を加えると思いますが、その評価も根拠に乏しいものが多く、結局「当たった、外れた」論に終始しています。
③はコンサルタントというよりはご意見番。④はそれこそ店長の仕事、⑤はまさにハンター的、狩猟的戦術、つまり「その場限り」の典型例です。結局すべて、「戦術」しか伝えていません。
イベントの提案や新機種の情報提供とか、それはコンサルティングとは言えない、戦術しか話せないならコンサルタントじゃないと思います。
私は、コンサルティング(コンサルタント)とは、
・戦略のフレームワークを示し、店舗自らの能力の向上を手助けする仕事(をする人)だと認識しています。
戦術、つまり手法をいくら伝えてもそれは一過性の結果にしかならずその後の成長につなげることは難しいです。コンサルティングの依頼をするときは、「答え」ではなく「方向性」を示すことが出来るコンサルタントを見分けてほしいと思います。