心的ストレス解消のためにもホールはローリスク環境のさらなる構築を

2020.04.02 / コラム

ホール経営者が新型コロナウイルス問題について物申す。

以下本文

東日本大震災のとき、被災地では心的ストレスが強く酒・たばこを求める声が大きかったといいます。
昭和天皇崩御の際、日本全国で遊技場の営業自粛をしようとしたところ大阪西成地区は犯罪抑止の観点から遊技場に休まないようにと行政から要請があったと聞きます。

この未曾有の新型コロナウィルスのパンデミックによる健康不安・経済不安による心的ストレスは想像を絶します。そんな中、外出自粛やイベント自粛、学校の休校などで自宅に閉じ籠り、片側ではDV(家庭内暴力)が増えているという声もあります。

この時期、感染のリスク、ウイルス拡散のリスクを全力で抑えないといけないのは間違いなく、不用意・無防備に人が発する飛沫を受ける環境に身をおかないことが重要です。それはイタリアなど欧州の挨拶でのスキンシップ、コミュニケーションスタイルがいわゆる濃厚接触となり予想以上のウイルス蔓延・加速に繋がっていることが窺えるからです。

我々は経済活動を続け、人を雇用していくにあたり、闇雲にすべてを制限するわけではなく、しっかりと色分けをして行動を抑えることでピークアウトを目指さなくてはならない時期に身を置いています。

「行動を抑える」というのは、例えば買い物をしに外出しなければいずれ食料もなくなり飢え死しますし、健康を害すれば薬も必要で、病院にも足を運ばなくてはなりません。

例えば、「食べる」という行動ひとつを色分けすると、

ベスト=自炊
ベター=単身外食(うどん、ラーメン、牛丼など)
リスク=人が集まっての会食
超リスク=騒がしく談笑しあう宴会

となります。

今は、闇雲に「外食は危ない」となりがちですが、単身での外食もリスクゼロとはいいませんが、それがダメならスーパーやコンビニでの買い物もダメになるわけで、そのレベルだと「外出自粛」ではなく「戒厳令」級でしょう。

面当向かってマスクなしで喋り合う(唾が飛び交う)環境を防ぐ手立て、例えば飲食店経営であれば、テーブルレイアウトやメニューを一時的にでも単身外食向けに変更したり、ランチタイムにテイクアウトでお弁当を作ったり、宅配を始めるなど、難局を乗り越えるための工夫と努力が必要と感じます。

電車はどうでしょうか。

いわゆる、密閉した狭い空間に人が多くいて、全員が飛沫防止に努めていればいいですが、マスク着用してない人も混在しているのが現状です。混雑時には隣の人の顔がすぐ近くにある状況になり、そうなるとリスクが上がるのは誰でもわかる理屈であると思います。

移動制限をしたくなければ、マスクの流通が回復し、しっかりと人々に行き渡って乗車時の最低限のマナーとしてマスクを着用できるようにならないとマズいと思います。特に東京都のリスクはここにあると思います。

学校。人が集まることには違いありません。
比較的静かに講義を受ける大学(全員マスク着用ならリスク軽減)に比べ、低学年になればなるほどリスクが高まると思います。

小学校低学年、もっと下になると幼稚園・保育園は、飛沫感染のリスクがより高くなると思います。

若年層だと自覚症状が薄いと言われてますので、風邪のように、かかって治して免疫力をつけるで済む可能性もありますが、それを家族に持ち帰り高齢者に感染させるとたいへんなことになってしまいます。

遊ぶ・叫ぶ、はしゃぐなどの行為を統制できない低学年以下の学校、幼稚園、保育園はハイリスクであると感じます。

さて、ここで私が強く言いたい「娯楽」について掘り下げてみます。

スポーツ観戦、ライブは声援が起こりますので、飛沫環境が出来上がります。
「密閉した空間」という観点からは、屋外スポーツは比較的、あくまで比較的ですがライブハウスなどよりはましではないかと思います。

音楽関係のお仕事をされている方は、入場者全員へのマスク配布という手法もありますが、この時期はアコースティックやクラシックなどの落ち着いたライブは、観客がエキサイティングするような激しいライブに比べれば多少リスクは抑えられるのかな、と思います。

会場もスタンディングではなく幅をとった着座にするなど、工夫できる要素はたくさんあると思います。

映画館はどうでしょうか。

まず、「密閉された空間」であることは解消のしようがありません。しかし、人と人が面当むかった環境ではなく、並列で静かに観賞することから、飛沫リスクは少し下がるのかな、と思います。

映画館は、1席空けて座るように席指定を制限したりなど工夫しているようです。

ゴルフ。

屋外であること、そんなに汗かいて心拍数が上がるスポーツではないこと、人と人が接触する性質のないスポーツですから、比較的安全といえるかもしれません。

クラブ・キャバクラ・スナックなど。

もしかしたらマスクを外すと鼻がだんご鼻だったり出っ歯だったりするかもしれないけどマスクをしていたら、超可愛く見えるなんてことが私は多々あります。接客業なのでマスクは着用できないなどという固定観念を捨てて、逆転の発想で「マスクキャバクラ」などと打ち出してみてはいかがでしょうか。

顧客側も、そういった繁華街で感染することを恐れて足が向かないこともあるかもなので、スタッフ全員のマスク着用に安心感が湧くかも(?)しれません。

最後に、本題の、パチンコ店です。

実は、パチンコ店は、飛沫や接触リスクが非常に少ない環境なのです。

顧客同士は人と人が向き合って話し合うようなことはなく、全員が個(私)の時間を遊技機と向き合って時間を消費します。
人との会食などのように唾が飛ぶようなことはあまりありません。

計数時やカウンターでの景品交換時にのみ、面当向かって人(スタッフ)と接触しあいますが、スタッフがマスク着用していればリスクは激減します。

「密閉した空間」という環境については、映画館のように光が漏れると困るわけではないので、少し暖かくなってきたことですし、営業中は排煙窓を全開にして換気を徹底すると良いでしょう。排煙窓のない造りのパチンコ店は存在しませんから。

むしろ、この心的ストレスが強くある時期に、機械と向きあって、人とのコミュニケーションではなく、個(私)の時間を費やすことは、推奨されるべき娯楽なのです。

私の店では、お客様全員のマスク着用を目指し、マスクをお持ちでないお客様にはカウンターで無料提供することを検討しています。

遊技台からお客様が離れたら、都度こまめに殺菌効果の高い次亜塩素酸水での清掃をしています。満員御礼のお店ではこうはいかないというか、手が回らないので、弊社のようなゆったり間を空けて座れるお店をぜひ選びましょう(笑)

遊技場ではハンドルやレバー、玉やコインなどを「触る」行為が必要不可欠なので、小まめな手洗い、アルコール消毒などを実践することをお奨めします。

冒頭で書いた「心的ストレスの解消」は、こういう時期だからこそ必要なものであると思います。塞ぎ込んでの鬱病や自殺者増加、犯罪の増加など、ストレスを溜め込んだままだとろくなことはありません。レジャー産業、娯楽産業も、様々な工夫でリスク軽減を目指しています。

「パチンコがダメならコンビニで買い物だって出来ないぞ」って言われるくらい、ローリスク環境の構築を各社こぞって努力しています。

飛沫を受けるリスクが実はほどんどない、機械と向き合って個(私)の時間を費やす環境の遊技場について、偏見や非難をなされないよう、どうぞご理解の程宜しくお願いします。

「出かけること」が罪なのではなく、用心すること、環境を選ぶこと、経営者に関してはより安心・安全な環境を構築することが、日本を破綻させずに難局を乗り切るための日本人全員の心得ではないでしょうか。

アメリカはニューヨーク州などの移動制限を検討しましたが、苦難の末に取り消しました。経済がストップすることを選べない以上、いかに経済還流をさせながら、リスク回避の手を尽くすことが、提供者にも消費者にも求められる工夫と努力なのではないかと思います。







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