当たり前のことを当たり前にすれば稼働は上がる

2019.11.12 / コラム

都内で3店舗を運営するホールへヘッドハンティングで本部長として迎え入れられた。最初は他法人に勤務中だったので、月1回でもいいから、とホールを見てもらっていた。

他法人では1000万円の年収だったものを1500万円で結果的には引き抜くことになる。そのきっかけとなったのが、まだ正式に本部長にはなっていない時、店長以下社員全員にヒアリングして、内部不正を発見したことでオーナーの心が動いた。

ヒアリングでは「何か困ったことはないか?」と言った内容から話を進めた。すると同じ店舗のスタッフ2人から「スロットで同じ客が勝っている」との情報を掴んだ。

すぐに設定漏洩が疑われた。

その店舗では閉店後に店長が設定を打ち換えて退社していた。店長が帰ってからオーナーと2人で店舗に入り、各台の設定履歴をチェックした。警備会社には事前に警報が発報しても不審者ではない、との連絡をしていた。

そんなことを何日か繰り返し、履歴とデータを突き合せ差異を発見した。

店長はあっさりと不正を認めた。

ヒアリングの目的は困っていることを解決するためだったが、副産物で店長の不正が発覚したことで、オーナーは本部長待遇で引き抜くことになった。

本部長として迎え入れ1年以上が経過しているが、稼働、粗利共に20%上がっている、と言う。

では、どんなことをやっているか、と言うと当たり前のことを当たり前にやっているだけだ。

例えば競合店のスタートが5.6とすれば、自店は5.7にするとか、スロットには設定を入れるとか。

3店舗の釘はバラバラで共通したポリシーもなかった。しかも命へ玉が行く前に風車で逃がすような、そんな調整方法でその辺も見直した。命まで玉が飛んでくるようにすれば、期待感があるだけに滞在時間は延びる。

出ないということは取り過ぎで、稼働アップにつながらない無駄出しなども是正した。

都内なのでまだ4円客は少ないながらもいる状態で、4円コーナーを育成する方法についてこう話す。

「全くの初心者は4円を打つことはなく、1円から始めるわけで4円を打ってくれる方が稀。それよりも4円の既存客の滞留時間を上げる。10分でも稼働を伸ばす環境を作ることが新規客を増やすことにつながります」

つまりは、当たり前のことを当たり前に地道にコツコツと続けることだ。中高年のパチンコ客の中にはただ近いからという理由で店選びをする傾向があったが、その当たり前のことができていないホールはお客から見放されていく。








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