希望条件を出さない企業の内定を蹴った結果1/パック・エックス

2016.10.31 / 連載

[連載第31回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
本当に多い転職の失敗事例 ~「目くらまし」にはご用心!~(前編)

こんにちは。パック・エックス、キャリアアドバイザーの耳塚です。今週も転職のタメになる話をしていきたいと思います。

これまでもいくつか取り上げてきましたが、本当に多い転職失敗事例に「目くらまし」というものがあります。提示された役職や給与のみを重視して、転職することの意味、大切にすべきことなど本質を見失ってしまうことです。今回もその失敗談の一例ですが、転職においてとても重要なことなので何度でもピックアップしていきたいと思います。

今回は数カ月前に転職相談にこられたイシカワさん(仮名)のお話です。

大学新卒にて大手パチンコ法人に入社をしたイシカワさんは、同期の中でも異例のスピードで店長職へとキャリアアップをされた有能な方です。しかし、数年前より変わらない自身のポスト、社内状況に「このままでいいのか」「自分の市場価値を知りたい」「自分の可能性を試したい」と悩んだ結果、転職活動を始めました。

面談初日は、企業像、価値観、大切にしたいことなど重要部分をヒアリングしました。店長職で年収600万円以上というのがイシカワさんの希望条件でした。そこから条件に見合う求人案件からいざ面接へ。結果としては面接を受けた企業すべてで内定を勝ち取りました。

ところが、どの企業もイシカワさんの希望条件に沿う役職や給与を提示してきませんでした。理由は、「他社の店長であれば基本的に行っている業務が、イシカワさんが働いていた企業では店長業務に含まれていなかった」からです。会社の方針でそうきまっていただけで、イシカワさんの努力不足ではありません。

しかし、内定を出した各企業にとってその業務は「店長を任せるにあたって必要不可欠なスキル」だったのです。イシカワさんにその経験がないから希望条件が提示されなかったのでした。それでも内定という結果を得られたのはイシカワさんが有能であり、他項目では高い評価を得ていたからです。

長く店長を務めてきたイシカワさんは、そのプライドからか「こんな希望条件で転職なんてできるか!」と、すべての内定企業を見送り。それ自体は問題なかったのですが、知り合いの出入り業者から紹介された企業(希望給与以上の提示)に転職を決め、前職を退職し入社したのです。

ここで私とイシカワさんとのお付き合いは一旦終了したのですが、その1カ月後イシカワさんから助けを求める一通のメールが届きました。

(続く)

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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