岡野陽一の今月の汁台「人生に必要なものはすべてパチンコから学んだアゲイン!!」

2025.01.23 / 連載

「借金芸人」岡野陽一が送る人気連載をリニューアル! 変わったようでいて変わっていないかもしれない。パチンコを打っていく中で岡野陽一がたどり着いた人生の境地を、月替わりの金言とともにお楽しみあれ。

 

不良少年の更生は
パチンコ屋さんに
閉じ込めるのが
一番いい! 


年が明けたって言います。私は人生で大切なことのほとんどはパチンコで学んで育ってきました。未熟な人が社会勉強することができる場所。それがパチンコ屋さんです。

若い頃は、何かにつけてうまくいかないことを「あいつのせいで……」とか他人のせいにして考えてしまったり、隣の台が出てるとなんか嫌だなって思ってしまったりしました。

でも、冷静に考えると隣の台は自分の人生においてまったく関係ないんですよね。パチンコを打っていて、「自分にはまったく関係のない台に腹を立てているのって変だな」とある時気付きまして、その頃から人に矢印を向けることもなくなり、周りから敵がどんどんいなくなっていきました。

誰もが自分の人生の進んでいく道というのを想像しますが、現実には想像通りにならないことばかりではないでしょうか。ここで挫けないのがパチンコ打ちでございます。パチンコを打つ者は、人生がすべて思い通りにならないことを何度も体験しているので、ちょっとやそっとの想定外をなんとも思いません。

今日出ているものはいずれすべてなくなることも分かっていますし、万枚とか出しているとうらやましがられますが、その裏では「今月2万枚負けているから……」といったたゆまぬ修行を積んだ結果だったりします。

酸いも甘いもを悟ったこの落ち着き。熟練されたパチンコ打ちは、点で見ずに線で大局的な視点を得ることができるのです。

それに比べてまだまだ未熟な若い調子乗りは、点でしか見ることができません。自分の台が出て見せびらかす人。昔はそうだったという人もいることでしょう。あるいは万枚など大量に出玉が出ている時に「みんな俺を見てくれ」と言わんばかりに王様のようにふんぞり返って打つ人、いますよね。

一方で海物語の島を想像してみてください。どうでしょう。頭の中の想像の世界には、ほとんどそんな人はいないのではないでしょうか。これって長年パチンコをやってきた成果なんです。おじさん、おばさんたちがあれをやっていないということはそういうことなんです。

調子乗り、ナルシスト……自信があるのは良いことですが、何か言動が鼻について「こいつ嫌われるだろうな」という人っていますよね。そういう人は特にパチンコをやった方がいい。パチンコ屋さんでは、時に熱くなってしまうこともたくさんありますが、それでも冷静になって帰らないといけない日が必ずあります。パチンコ屋さんには、人生において大切な押し引きの判断を学べる材料がそこかしこに転がっていますから非常に勉強になる。

こういったことを「楽しい」を通じて学ぶことができる施設というのは大変貴重です。例えば、不良少年の更生でパチンコ屋さんに連れて行く塾なんかがあってもいいかもしれません。寺に不良少年たちを修行に行かせているのを見るたびに思うのは、「パチンコ屋さんに閉じ込めるのが一番いいんだけどな」ということです。

パチンコで負けるということはたしかに苦しい。ですが、それは自分の判断でお金を入れた結果であります。自らが下した判断に、即座に勝ち、負けという結果がついてくるシビアな世界。それをわずか短時間で体験できるので、これは納得度が高い。

そんな迷える人たちが、自分がハマったときに人にジュースを奢れるようになったら、これはもう成長の証と言えるでしょう。人の気持ちが分かるようになるっていうのは、未熟な人にとっては非常に大きな一歩です。

そうそう、でかいといえば、それこそ音量がでかい人はまだ人生のなんたるかを学べていない、これから学んでいく必要があります。他人を顧みないその行為を、頑固親父みたいな人から「ちょっとお前、音でかいぞ」みたいに注意されて気付きを得る。そういう大人がいっぱいいたら、ちゃんとした村ができあがります。

かくいう私もよく怒られて学びました。4号機を打っていた時代に、それこそ「なぁ、タバコけむてえよ」とか言われたりしてね。それで「タバコはこの高さで持ってちゃダメなんだ」と今まで想像できなかった他者の気持ちを前もって汲み取ることができるようになりました。ある時は、開店直後に台を抑えるために走っちゃって順番を抜いて怒られたりして、ルールを守ることの大事さを学んだものです。

さて、お金持ちの皆さまどうでしょう、不良少年の更生パチンコ塾をつくるというのは。さらに、今の時代は特にインバウンドもミックスして、外国人に向けてやっていくべきだと思っているので、SNSで話題になっている猫の島みたいな感じで、パチンコ島とかをつくって、香港マカオの小さい版みたいな感じで高収益なムラをつくる。社会への貢献とSNS映えするインバウンドと観光。そういう目的があればパチンコ島に来たくなるんじゃないかと思うわけです。世界に誇れるパチンコ島の建設。何であればその島の中で多言語の教育もできるみたいな。パチンコは世界平和にもつながっていくわけです。 

 

岡野陽一の今月の汁台