夢洲にホールという発想

2019.10.31 / コラム

10月25日付の東洋経済オンラインに次のような見出しが躍った。

ラスベガスのカジノ王が「大阪」にこだわるわけ

サブタイトルはIR世界大手がぶち上げた最大1兆円投資計画

内容は同じアメリカ資本の競合ライバルでもあるラスベガス・サンズが大阪から横浜へシフトしたのに対して、MGMリゾーツ・インターナショナルは、2014年に日本法人を設立以来、一貫して大阪での運営権獲得を目指している、というもの。

ジム・ムーレンCEOは「2025年の大阪万博とともに、IRによってさらなる経済発展をしていく意思が大阪にあるのなら、MGMもぜひ大阪と一緒にそれを実現していきたい。パートナーのオリックスを通して、中小企業との連携も重視している。地元中小企業のデータベースを構築し、できるだけ関西企業と連携していく。さまざまな施設の建設費で、最大1兆円を投資したい。大阪は約9万人の雇用が創出されると推計している。IRを目的とした訪問客は約2000万人で、そのうち訪日外国人は約700万人と見込んでいる。これだけの人が関西を訪問することは、地域全体への大きな波及効果となる」と話す。

大阪にはMGMのほか、ギャラクシーエンターテインメント、ゲンティン・シンガポールが三つ巴の状況で進出を狙っている。吉村大阪府知事は「大阪にメリットがある業者を選ぶ」という程度に抑えている。

カジノの件で雑誌記者が自民党関係者を取材した。

「3カ所全部をアメリカ資本でやるのはまずいので、東と西をアメリカ資本で分け合う。大阪はMGMとオリックスのグループで決まりだよ。裏でゼネコンも糸を引いている。ジョイントベンチャーから外されないように必死」

大阪

ここで出てきたのがパチンコメーカーの話。

「パチンコメーカーも参入を目論んでいる。日本人に親しみがあるパチンコは、カジノでも必要と考えている。馴染みのあるパチンコを動線にボードゲームなどをやってもらえばいい」

パチンコ業界のメーカーがカジノに絡みたい話は日報で何度も取り上げているので特段驚くことでもないが、次の話は腰を抜かした。

「夢洲の中に出店を目論んでいるホール企業があります。そのホール企業の社長曰く『ギャンブル好きが集まるところにホールを出店しないでどうする。出店できればすごい宣伝にもなる』。IR施設の中にテナントで出店できれば最高でしょうね」

この発想は盲点だった。大手ではなく中堅どころのようだが、実現したら凄いことである。








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