国内企業:アクロディア アジアでビンゴ運営~日本IR内の展開目指す。ただし制度上困難

2019.12.31 / カジノ
2019-12-31

【国内ニュース】

IR整備法が成立(2018年7月20日)し、公布(7月27日)された。日本企業は、事業関与の仕方、ターゲット・エリアを定める必要がある。

事業関与は、IR事業主体(コンソーシアム)へのエクイティ参画、IR事業主体からの業務受注、に大別されよう。

IR事業主体(コンソーシアム)は、地域企業、都市開発企業、海外IRオペレーターなどで形成へ。

ターゲット・エリアについては、IR上限数「3」を前提に、自らが強みを持ち得るエリアを抽出することが肝要。

2019年後半、IR誘致を申請する自治体(都道府県 or 政令指定市)は、実施方針を策定し、IR事業主体を選定へ。

アクロディア(東京証券取引所市場第二部)

アクロディア アジアでビンゴ運営~日本IR内の展開目指す。ただし制度上困難

・12月24日、アクロディアは、アジア各国におけるビンゴカジノホール運営の事業開始を発表
・第一号として、カンボジアRoxy Casino(バベット市 Roxy Hotel & Casino社)内のビンゴカジノ場の営業を開始
・同事業は、新規子会社Pacific Delta Bingo社(資本金10万米ドル,本社貸付35万米)が遂行。ホートラムジャパン株式会社と提携
・アクロディアのビンゴカジノ運営のベースは、ビンゴ運営のITシステム。米準州グアムのホールに同システムを提供中
・アクロディアは、今後、以下の事業を開始する考え
– オンラインビンゴ事業:各国オンラインカジノの規制に準拠
– 日本のIR施設内におけるビンゴカジノ場展開(カジノIRジャパン注:制度上困難と考えられる。図表参照)

<ビンゴ市場の参考情報>
・米国ギャンブル市場(2018年):全体1,612億ドル。ビンゴは21億ドル(1.3%)。なお、カジノ(商業+トライバル)は842億ドル(52%)
・世界オンライン・ギャンブル市場(2018年):全体520億ドル。利用者が最も選好する種別は、スポーツベッティング40%, カジノ32%など。ビンゴは5%ほど

カジノIRジャパン注:アクロディア社 ビンゴカジノ事業~日本IR内への展開は制度上困難と考えられる~IR整備法より

1)カジノ事業における外部委託の規制
~IR事業者は、カジノ事業の外部委託をできない。カジノ業務のうち、カジノ事業運営への影響が少ないもので、カジノ管理委員会規則(*)に定める業務のみ外部委託が可能

2)カジノ行為の規制
~カジノ管理委員会規則(*)により、認められるゲーミング種が定められる。単純な顧客同士の賭け(クラスⅡ)は認められない

(*)カジノ管理委員会は、2020年1月7日に設立予定。その後、カジノ管理委員会規則が策定される

 

アクロディア オンラインカジノの東南アジア展開でホートラムジャパンと提携

・6月20日、株式会社アクロディアは、同社が開発したオンライン・ビンゴ・カジノ・システムの運営と展開について、ホートラムジャパン株式会社と業務提携したと発表
・なお、本事業は、ベトナムの大型IRである「The Ho Tram Strip」(*下段を参照)とは関係しないと推測される

<株式会社アクロディア(代表取締役社長 堤純也氏)の概要>
– 東証二部上場(コード:3823)
– スマートフォン向けサービス及びソリューションの提供

<ホートラムジャパン株式会社(代表取締役 伊達智行氏)の概要>
– IRホテルの企画・開発・投資及び運営
– レストランの企画、開発、投資及び運営
– 不動産の開発、企画、売買及び斡旋
– 娯楽用ゲーム及びコンピューターシステムの企画、開発及び投資
– 上記に関するコンサルティング事業など

<業務提携内容>
・アクロディアは、スマートフォンやタブレット用のオンライン・ビンゴ・カジノ・システムを展開
・アクロディアは、すでに、グアム、パラオ共和国でのサービス開始に向けて準備中
・今後、ホートラムジャパンのネットワークを活用し、同システムを東南アジア諸国に展開
・まずは、カンボジア、ベトナム、フィリピン、ラオスにアプローチを開始
・カンボジアをファーストターゲットとし、現地法人を共同で設立し、現地カジノ運営会社との契約を進め、今夏からのサービス開始を目指す
・アクロディアは、カンボジア、ベトナム、フィリピン合計のカジノ市場60億米ドル(6,600億円)規模において、市場シェア0.5%相当する0.3億米ドル(33億円)を目標とする

<東南アジアのカジノ市場>
(カンボジア,ベトナムはリリースより抜粋。フィリピンのみカジノIRジャパン)
・カンボジア:約20億米ドル(2,200億円), 施設数は実質60-70施設
・ベトナム:約3億米ドル(330億円), 施設数は統合型リゾート(IR)が8施設、スロットパーラーが20施設ほど
・フィリピン:2018年4Q累計(1-12月)PHP187,541mn, YoY23%増(約3,938億円)

(参考)ベトナム The Ho Tram Stripの概要
・ベトナム東南部バリア-ブンタウ省
・最終投資計画42億ドル(ベトナム政府に40億米ドルをコミット)
・開発者:Asian Coast Development Limited(ACDL, カナダ), 現地子会社Ho Tram Project Company Limited
・施設
– The Grand Ho Tram
~フェーズ1(2013年7月開業)投資額6億ドル, 541室。フェーズ2(2018年12月開業)累計11億ドル, 1,100室
– The Bluffs Golf Course
 

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