喫煙室でも加熱式タバコの是非

2019.10.30 / コラム

音楽メディアは暫く磁気テープの時代が続いたが、CDが登場してからは音質が劣化するカセットテープの時代は終わり告げることになる。このCDとて5GBでmp3楽曲を約1,000曲収録可能な初代ipodの出現によってその座を明け渡すことになる。
すっかり過去の遺産となった感のある磁気テープだが、データのバックアップ用に再評価されている、というのだから歴史は面白い。

データバックアップ用磁気テープの特徴として、他の記録媒体に比べて、従来からデータ転送速度に優れることが挙げられる。また媒体が安価な上に、保管中は電源が不要なためランニングコストも低く抑えられることができる。加えて、素材である磁性体技術の進化により、大容量のストレージを実現し、情報記録装置としての付加価値を向上させることもできる。

東日本大震災で被災した企業や自治体では、重要なデータの消失から復旧に手間取った反省点を踏まえ、新たな施策を実行しつつある。停電でもデータを消失することがなく、緊急移動の際も対応しやすい磁気テープでのバックアップを再評価しているのだ。

磁気テープには長い歴史があり、その中で再評価されているわけだが、ここからホールに関係のある話に移る。

来年4月から実施される受動喫煙対策法でホールも禁煙になる。世の中の禁煙化の流れの中で、煙の出ない加熱式タバコに切り替える愛煙家が増えているが、これを喫煙ルームで吸わせてもいいのか?と問題提起するホール関係者がいる。加熱式タバコが日本でも普及し始めて年数は浅いためどんな健康被害が出るかはこれからの問題だからだ。

ヤフーニュースによるとアメリカでは加熱タバコの健康被害が多発している、という。

—————米国の若い世代が、電子タバコの喫煙によると思われる重篤な呼吸器障害で続々と入院している。日本でも加熱式タバコのアイコス(IQOS)を吸って重い肺炎になるケースが報告され、これら新型タバコによる健康への害が次第に明らかになってきた。

(中略)

電子タバコの流行は多くの国々で深刻な社会問題になっている。米国では下院議会や食品医薬品局(FDA)、米国疾病予防管理センター(CDC)などは、10代の電子タバコ使用について警告し続けてきた。電子タバコが喫煙習慣や違法薬物のゲートウェイになるという指摘がある通り、米国の高校生の約27%はなんらかのタバコ製品に手を出すようになっている。

(中略)

日本でも加熱式タバコで重篤な呼吸器障害を引き起こし、一時は生命の危機に陥った患者の症例報告が出ている。これはアイコスを吸った後、急性好酸球性肺炎になった患者だ。好酸球は白血球の一種でアレルギー反応を制御するが、アイコスに含まれる物質が劇症のアレルギー反応と好酸球の活性化を引き起こしたのではないかと考えられている。

(中略)

新型タバコには紙巻きタバコからはあまり検出されない物質が出ているが、肺の奥深くまでこうした物質を吸い込んだ場合、健康にどのような悪影響が出るかわかっていない。しかし、米国や日本では徐々に新型タバコの使用によって重篤な症状が引き起こされると疑われる症例が出始めている————。
以上引用終わり

このことを組合の中で話題にしたが、「おたくも景品にアイコスを出しているんでしょう」の一言で片づけられてしまった。

歴史のある磁気テープは再評価される理由があるが、歴史のない加熱式タバコにはどんな問題があるかは、これからどんどん明らかになってくる。






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