千葉大停電で自家発電機の必要性が浮上

2019.09.16 / コラム

9月9日に関東を直撃した台風15号は、千葉県の広域で停電になる2次被害をもたらした。停電から1週間経っても完全復旧が遅れ、市民は我慢の限界に達した。

特に9月になっても猛暑が続く中でエアコンが使えず、夜は車の中でエアコンをかけて寝る家族も少なくない。

中にはキャンプ用に買っていた自家発電機で家のエアコンを動かしている人もいる。この発電機は灯油で動き、しかも18リッターで24時間動かせ、値段は6万円ほどなので同じものを買い求める人もいる。

停電しているということは、当然、ホールも営業ができなくなっている。停電が長引くと万一の場合に備えて、自家発電装置を考えるホール企業も出てくる。

では、ホールが自家発電装置を導入する場合、どのぐらいコストがかかるのか、東日本大震災の時に東京ガスに500台クラスと1000台クラスで見積もってもらったことがある。

その時の回答がこれだ。



この電力消費を元に、GE(ガスエンジン)発電機の選定したものが、以下の表である。



発電機は停電対策用のため、非常時に運転するものと考えるが、都市ガス用の発電機は常用コジェネとして高効率運転することを想定しており、廃熱ボイラ等が付帯する。

このため、非常用発電機としての仕様設定がなく、GE発電機は割高になる。

■設備上の留意点

1.停電後の発電機に対する負荷投入は突入電流の影響を受けないよう負荷投入単位以下で(負荷投入単位以上の負荷は分割して)手動により投入していく。

計画停電等予測可能なものは負荷投入に時間をかけることができること、その確実性を重視すること、設備費が高価で複雑になること等の理由から自動瞬時切換えは推奨しない。

2.但し、前述したように自動瞬時切換えは推奨しないため、必要に応じてパチンコ台、スロット台はUPS(無停電装置)等で対策する必要がある。

■停電対策内容

1.発電機の設置並びに配線工事は各々の停電対策設備として、500台クラスで約8500万円、1000台クラスで約1億5000万円と推算できる。

2.GE発電機の場合、常用で運転することを想定して廃熱ボイラ、系統連系設備をパッケージ化しており、設備が割高になるため、停電時だけの発電を想定するのであれば、これらの設備を付帯しないディーゼル発電機の対応もある。しかし、燃料貯蔵設備の対応が必要になる。

3.空調設備の電気設備容量が全体の50%以上を占めており、これをGHP(ガスエンジンヒートポンプシステム)に変更できれば当該設備の電気使用量を約15%まで圧縮でき、省電力に寄与する。

以上

その他、停電時に重宝するのが移動式電源車だ。

トラックに発電設備が搭載され、動く発電所ともいわれている。

納入先の中には、コンサートやイベントの照明や舞台装置等の電源供給用に特化した移動電源車が導入されている。













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