医者になった長男、ホールを継いだ弟

2020.03.21 / コラム

年収2500万円~1億円。

経験1年以上なら初年度から4000万円、経験2年なら5000万円の年収を保証する業界がある。

人も羨む高年収を保証する業界とは、美容整形の医師だ。外科や内科などの勤務医の年収が1200万円~1500万円であることからも、いかに破格な年収かが分かる。

整形外科と違って美容整形は健康保険適用外の自由診療なので、施術費は医師が自由に決められる。二重瞼の手術も4万円から20万円まで幅がある。この自由診療が高年収を生み出す理由でもある。

ホールの長男が20年ほど前、親の仕事を継がず、医学部へ進学した。整形外科の医者をやっていたが、美容整形に進み現在は開業医として年収1億円以上を稼ぎ出している。腕がよければ年収はどんどん上がるのが美容整形の世界でもある。ちなみに、6年間かかった医学部の学費は全額父親に返している。

美容整形のハードルが下がり若い女性の間では整形に抵抗感はない。韓国はプチ整形、韓国で整形すると同じ顔になる、という理由から本格的な整形は日本という流れがある。

ホールは弟が継いだが、父親がまだ社長として実権を握っている。

「大学でもっと勉強しておけばよかった…」と弟は今となっては後悔している。ホール規模は中小の部類に入る。古くからの小型店舗で、ここのところの稼働は芳しくない。それに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス騒動だ。芳しくない稼働がさらに落ち込んだ。

ホール以外に飲食店もをやっているが、飲食業界がコロナで大打撃を受けているように、同店も例外ではなかった。

「焼肉は煙を排煙するので一番換気がいいのにお客さんがガタ減りです。ホールも飲食もWパンチです」と意気消沈。

飲食はコロナ騒動が収束すれば客足は戻ってくるだろうが、ホールの方は予測が難しい。

「後のことは俺が面倒を見る」という兄の声に後押しされ、ホールはやるところまでやる覚悟ができた。

20年前のパチンコ業界と言えば、スロット4号機で我が世の春を謳歌していた時代で、パチンコ業界は永遠に儲かると思われた時代でもある。

兄は頭もよかったので医学部へ進学し、美容整形の開業医として成功している姿が眩しい。

「兄貴の一言がなかったら、今の私の不安を解消することもなかった。兄貴の一言で肩の荷が下りました」

弟は同世代の若手グループに入って、情報交換会を開いている。その中で、4月からの全面禁煙化移行で、きれいな空気環境になるのに伴い、プラズマクラスターなどを活用して「外よりきれいな空気」をアピールすることを提言しようということになった。









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