初心者向けパチンコの開発はお手上げか

2020.01.29 / コラム

メーカーだって新規顧客開拓に取り組んだ。それがちょいパチである。初心者でも遊びやすいスペックとして大当たり確率は1/30~1/40として、サクサク当たるようにしたが、出玉はチョロと。

仏作って魂を入れず。初心者向きの機械は作ったが、業界自体が初心者開拓を一丸となって取り組むこともしなかった。結果的には既存客の目にしか止まらなかった。出玉重視の既存客には見向きもされず、新規客の開拓には至らなかった。むしろトラウマとも言える。

それ以来、パチンコメーカーは初心者向けの機械を開発する発想がなくなった。

「スロットはゲーム性があるので若者に打ってもらえるが、パチンコは若者に打ってもらえない。販売台数も年々減少するばかりで、機械代を高くして何とか辻褄を合わせている。高いから台数も買ってもらえない。パチンコに関してはホールもメーカーもどうしようもなくなってきている。パチンコ主体のメーカーは厳しくなるばかり」(パチンコメーカー関係者)

そんな不安に加えホールが心配するのは管理遊技機の行方だ。玉やメダルレスになり箱積みができなくなる。特に出玉演出で好調な稼働を維持しているホールからは「外に玉が出る管理遊技機にして欲しい」という声も。

玉が外に出るのならそれはもはや管理遊技機でもなんでもない。さらに出玉演出にこだわるこのホール関係者は「スロットはすべて30Φにして欲しいぐらいだ。メダルを積み上げた時の見栄えがいい」と要望する。

元々パチンコはアナログな遊びなのだから、出玉がデジタル数字よりも実際に外に出るほうが、デジタルゲーム世代にも受けるはずだ。出玉の重量感は達成感にもつながる。

遊技人口が減少する一因をメーカー関係者はこう指摘する。

「ホールさんは結局、ヘソ賞球は1個の機械を求めますからね。メーカーもこれでは初心者向けの機械を作るのはお手上げです。こんなスペックでは既存客も減り、ホールが減り、メーカーも淘汰される。それもこれも原因は等価交換と一物一価です。せめて一物二価か検定期間を6年にするとかにしないと自滅するだけです」

サムスンが年間3億台生産するスマホのうち、20%にあたる6000万台を中国の企業に開発から製造まで丸投げする。1万円前後の低価格のスマホが台頭する中国ではサムスンの工場ではコストが合わないためで、中国企業が作ったスマホにサムスンのロゴを印刷して販売する。

パチンコメーカーも今の高価格を通すのも限界に近付いている。これぐらいの発想がなければコストを下げることもできないだろう。







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