低価交換は稼働を上げるため? 新規客を増やすため?

2019.09.18 / コラム

40個交換は理想としても、現実問題として33~35個の低価交換で成功しているホールはあるのか?ということが低価交換に踏み切れない現実でもあろう。

前提条件として低価交換営業仕様の機械が必要にもなるが、今残っているユーザーは等価・高価交換に慣れ切っている客層なので、低価交換では勝負の結果としては損した気分になる。低価交換でもたいして回らない、設定も入れていない。どうせ負けるなら等価・高価交換を選ぶのは当たり前のこと。

そんな営業をするホールがあるから客も低価交換営業を信用しない。一般的な1000円スタートが15回なら20回以上回さないと違いは体感できない。

業界全体の流れとしては完全に脱等価に向かっていることは間違いないが、それに逆らうことが「等価を制する」と考えるホール企業もある。等価で成長したのだから徹底して等価を推そうというのが会社の方針だ。

「会社は等価のままでいく方針なので、これに異を唱えようものなら降格の対象になります。店長の意見は会社の方針に沿った意見しか言えない。昔は風通しのいい社風だったんですがね…社内では脱等価を大きな声で言える状況ではありません」という声が漏れてくる。

同社からすれば1円にシフトする法人は負け犬に映る。かといって4円で高稼働を維持している店舗が多いわけでもない。

では、ナゼ、等価営業に固守するかと言うと、交換率を下げることが遊技人口を増やすことにはつながらない、と考えているからだ。実際に、低価交換営業も試験的に行ったことがあった。回して割を上げたのも関わらず、稼働はもっと悪くなった、というトラウマがあるからだ。

「今の脱等価の流れは、今のお客さんの稼働を伸ばすためのものか、あるいは、新規客を増やすための脱等価なのか、その辺りの議論が全くない。脱等価によってどのような数字になるのか予想数字すらない。交換率を下げたらどれだけ、お客さんが増えて、どれだけ粗利貢献できるのか。脱等価で遊技時間は増えるかもしれないが、落とすおカネが変わらないか、それ以下なら等価で行けるところは、等価で行く、等価がダメな地区は脱等価で行く、というのがウチの考えです」

全国一斉に脱等価に舵を切ろうとしていること自体が間違いである、と指摘したいようだ。地方と首都圏では遊技人口も全く違う。地方の客は等価に疲弊しているかもしれないが、可処分所得が多い都会では等価の4円が打てる客もいる。それを一緒くたにして全国統一というのが意にそぐわないようだ。やるなら単組単位、という考え方だ。

悪貨が良貨を駆逐する。あまりおカネを使わない、遊びたい客のニーズをないがしろにして、射幸性を求めてたくさんおカネを使う客を育てることを業界自らが行った結果なので、交換率を下げても新規客は短いスパンでは増えることはない。今の客層を総入れ替えするぐらいの決意がなければ新規客を増やすことはできないだろう。








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