事前会員募集の是非

2019.09.02 / コラム

グランドオープンに先駆けて会員募集を行うのは業界では当たり前の光景となっている。スタートダッシュを図るためには総台数の3倍以上の会員獲得に奔走する。他方、ウチコ軍団対策として事前募集では地域限定などの縛りを加えるホールもある。

対策を講じるホールに対して軍団も黙っていない。彼らも商売だから地域限定に対しては、ホールの近所のスーパーなどで買い物客に声を掛けて、会員カードを作らせて、それを買い取る方法を編み出している。どんなことがあってもグランドオープンに潜り込むのが軍団でもあろう。

最近、グランドオープンした大型店は、敢えて事前会員募集を行わないままにオープンした。軍団・プロ排除のためでもあった。等価交換でスロットが強い地域で、特定日は特にセミプロが大挙押し寄せる土地柄でもあったからだ。

いざ、蓋を開けてみると初日は満台スタートにはならなかった。稼働で言うと5~6割。責任者は顔面蒼白となるところだが、想定範囲だった。

オープン初日は今後固定客になってもらわなければならない地元客だけだったが、逆に稼働が低くかったために、全台開けていたので座れるだけでラッキーだった。この店は「出す」と言う意思表示を伝えることが重要だった。それをプロではなく地元客に伝えることが肝である。

その後、稼働は徐々に上がり地域では2番手に。グランドオープンで事前に会員募集をしないことがアンチテーゼとなっている。

グランドオープンでの軍団・プロ排除について、一般的な考えはこうだ。

「自分も過去3店舗程、グランドオープンの立ち上げに関わった経験がありますが、何故店がプロを排除しようとするか? それは、自社の話になってしまいますが、毎日1日単位でどれだけ出すかを決めます(もちろん、毎日が予定通りにはなりませんが・・・)。
一般のお客様が勝とうが、プロが勝とうが会社はそんな事は気にしません。気にするのは、現場にいる店長以下の役職とスタッフ達です。プロに喰わす位なら、これから常連様になってくれそうな方へ還元したいと思う訳です。だからこそ、店はハウスルールを作って、プロを出禁にしたいのです。そのため地元のお客様限定での会員カードという施策を取っているホールもあります。軍団プロの排除は、一般のお客様への還元率を上げるという側面も持っている点にも注意して頂ければと思います」(ホール店長)

グランドオープンだけでない。特定日にはプロや軍団で満台になっても翌日は元の状態。いつのまにやら余暇産業から期待値産業へ代わっている。







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