中国人VIP減少でシンガポールカジノも打撃

2014.11.12 / カジノ

マカオのカジノ収入に大きな打撃を与えるVIP客の減少は、シンガポールのカジノにも同様の影響を与えている。11月9日のロイター通信のレポートによれば、同国で2つのカジノを運営するサンズとゲンティンの間では、現在、減少したVIP客の激しい争奪戦が繰り広げられているという。

ゲンティン運営の「リゾーツワールド・セントーサ」では、VIP客に過度のコミッションを付与したり、安易に巨額な賭博資金の融資を行っているとされ、ライバル社サンズのアデルソン会長はこれを激しく非難。「ビジネスをカネで買っている」と糾弾した。ゲンティンの元法務顧問は、「上客に対しては、100万シンガポールドル(約8,850万円)の賭博資金が15分程度の審査で簡単に融資される」と語る。

シンガポールの年間のカジノ収入、約60億シンガポールドル(約5,300億円)のうち、半分近くはVIP客による収入で占められ、そのVIP客の50%は中国人富裕層。習近平国家主席が推し進める反腐敗運動の影響で、マカオ同様、シンガポールのカジノのVIP客も減少した。シンガポール観光局のデータでは、今年前期6ヶ月間の中国からの渡航者が30%減少している。先月行われた今年第3四半期のサンズの業績報告では、VIP収入は前年比34%減。近く業績発表を行うゲンティンも同様に急激な収入源が予想される。

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