中国人・香港人・台湾人の違い/香港の大学が調査

2015.03.06 / カジノ

我々日本人から見ると、中国、香港、台湾の3つの地域をはおおざっぱに「中国」とみなし、それぞれの地域に住む人々を「中国人」とひと括りにしてしまいがちだ。しかし、それぞれの地域は文化的、社会的な背景に違いがあり、その行動様式にも相違点は多い。このほど香港理工大学が行った調査は、中国、香港、台湾の3地域の人々のカジノにおける行動様式の違いを明らかにしている。

この調査は、マカオの全33軒のカジノを対象に、3年以上の経験を持つカジノスタッフ300名以上へのインタビューを実施。マカオカジノの主要顧客である中国、香港、台湾の3地域から訪れる客のカジノゲームに対する参加姿勢や、スタッフに対する態度・言動などに関する聞き取りを行った。調査目的は、地域別の客の相違点を明らかにし、それぞれに対するサービス向上を図るためだという。

調査報告によれば、カジノスタッフは3地域のなかでも中国本土客に対し最も大きなマイナスイメージを持つという。本土客はカジノを社交のひとつと捉えており、集団でテーブルを取り囲んだり、他人のプレーを観戦しながら盛り上がる傾向がある。なかには、傍若無人な振る舞いでゲーム進行の妨げることもある。しかし、本土客は半数以上を占める大きな市場であるため、調査報告では、スタッフの本土客に対する先入観の改善と、文化の相違を受容する指導を行うようカジノに対して推奨している。また一方では、本土客は目新しいモノやサービスを忌避する傾向があるため、新しいスロットマシンやキャンペーンを提供する際には案内役の人員を多く配置すべきと指摘している。

また、カジノ客の約25%を占める香港客の場合、ゲーム中の態度が良くスタッフに最も好意的に受け止められているが、一方では「最もサービスにうるさい客」と見なされてているという。香港客は優待や記念品などをより多く求める傾向にあり、サービスが悪い場合は苦情や不満を漏らす傾向にある。加えて、香港客は新しいゲームやイベントなどに対して参加意欲が高いことから、定期的な新ゲームの導入やキャンペーンの実施が必要になるという。

なお、カジノ客のうち約4%の台湾客は、絶対数は少ないものの3地域の中では最も「扱いやすい客」だという。台湾客は本土客と同様、新しいモノに対しては消極的だが、一人でプレーすることを好み、問題行為は少ない。また、他地域に比べてチップ払いも良いため、カジノスタッフにとっては良客であると結論づけている。

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