不採用でも価値ある転職活動になった理由/パック・エックス

2016.08.29 / 連載

[連載第22回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
「よくよく掘り下げると解決できそうなことって結構ある」

こんにちは。パック・エックス、キャリアアドバイザーの耳塚です。今週も転職のためになる話をしていきたいと思います。

以前から面識のあったサイトーさん(仮名)から、「現在の会社は就業時間が長くて、店長になるとほぼ通し勤務になる。家庭のことを考えると今のまま働くのは難しい」と転職のご相談を受けました。

昨今のホール企業では、労働環境の見直しが進んでいます。しかし、まだ一部の企業では慢性的な超過勤務が残っているのです。サイトーさんも次期店長候補でやる気はあったのです。ただ、子どもがまだ小さいこともあり、ライフワークバランスがうまく保てずに悩んでいる様子でした。そこで、休みや就業時間などの労働環境が整っている企業を紹介しました。

その時の面接の様子です。(面=面接官、サ=サイトーさん)

面「就業時間が長いってことだけど、どれくらいなの?」
サ「だいたい10時間くらいで酷いときは12時間を超えたりもします」

面「大変だね。サイトーさんはこの長い就業時間の要因はなんだと思っている?」
サ「雰囲気です。店長は機械のメンテナンスやら書類の作成やらで忙しそうでいつも遅く、店長が帰らないと帰りづらいんです」

面「改善は難しそう? 例えばサイトーさんがその仕事を請け負うとか。そもそもみんなが帰りづらそうにしていることを店長は認識しているのかな? それをサイトーさんは店長に話したことはある?」

サ「ないです。常に忙しそうなのであまりそういう話はしていませんし、聞いてくれないと思うので」

こういったやりとりは実は面接ではよくある話です。サイトーさんは結果、採用には至りませんでした。「次期店長候補であれば、こういった問題は自ら動いて解決する行動をとらないと難しい。話し合った結果だめだったとか、率先して自分が早く帰ってることにトライした結果、理不尽な対応を受けているならわかるけど、どうせ聞いてくれないっていう意識だとだめですよね」ということです。

「企業体質・環境」の改善は全社的な取り組みが必要であり容易ではありません。しかし、サイトーさんの場合は、「店舗内で解決できる問題」であり、店長候補であれば改善に向けて動ける状況にあったのです。社内の環境が変化を許さないのかと思っていたけど、面談や面接でそうではなかったことに気づくことはよくあります。サイトーさんは今回の結果を現企業で生かそうと改善に向けて取り組んでいるようです。転職活動のことはすっかり忘れ、勤めている企業・店舗が「どうすればもっと良くできるか」「この方法はどう思うか」といった相談を受けることの方が多くなっています。

「自分が変える」「自分が変わる」ことで困難は打開できるのです。サイトーさんは「転職活動」でそれに気づくことができたのです。転職を前提とするのではなく、今の自分や現企業の状況を客観的に知るため、判断するための転職活動もありということですね。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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