三浦真理恵「子育て中!逆マタハラの軋轢とは」

2016.05.02 / 連載

【隔週月曜更新】三浦真理恵のモテる処方箋
第13回 「時短社員とのズレを修正しましょう」

皆様こんにちは! 株式会社kaikaの三浦真理恵です。早速本日も、読者の皆様に「モテ上司」「モテ部下」に近づいていただくべく、お悩みと処方箋をお届けします。

Q、「産休育休明け・時短勤務」の女性社員の待遇について悩んでいます。自社で初めての事例ということもあり手探り状態ではあるのですが、通常勤務の社員たちから次々と不満が出てきているようです。前向きに受け入れてもらうためにはどうすれば良いでしょうか?(40代・男性・管理職)

A、子育て中の時短社員に対して不満が続出する、その原因のほとんどは「時短社員の言動」と「不公平感」です。社内の子育て支援制度を利用する社員が増えることで、他の社員にしわ寄せがくる。時短社員が「子育て中なんだから当然」という言動をとる。このような事態は近年「逆マタハラ」と呼ばれています。優秀な社員の離職を防ぐためにも、対策が必要ですね。

まず上司としてすぐにできることは、時短社員と面談の機会を設けることです。

質問者様の会社でどのような不満が出ているのかはわかりませんが、一般的によく出る不満は下記の5つでしょうか。
①人員補充がないため、時短社員のフォローがすべて通常勤務の社員に回ってくる
②通常勤務と時短勤務に給与の差が少ない
③「優遇されて当然」という態度や行動をとっている
④感謝の気持ちや言葉がない
⑤急な早退は仕方ないが、引継ぎをきちんとしてくれない

①・②は会社側の問題。③~⑤は時短社員本人の問題です。時短社員がこのような言動をとってしまっていると、通常(もしくはそれ以上)働いている社員はウンザリしてしまうでしょう。

まずは時短社員との面談の時間を設け、仲間がフォローしてくれていることをしっかりと自覚させてください。「産休・育休が当たり前」「時短勤務が当たり前」ではなく、「お互いさま」の精神の大切さ、権利ばかりを主張するのではなく「義務と権利のバランス」をとることの大切さを伝えましょう。

その上で、通常勤務の社員を交えたミーティングができると尚良いです。誰がどこまで負担をするのか、フォローの分担を明確にしてください。そうすることで、全員が「自分事」として捉えるようになっていきます。

「充分な制度」と「感情の噛み合い」は切っても切れない関係です。決して制度が使いづらくならないように、「思いやり」と「責任感」のバランスがとれた職場づくりをしていきましょう。

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(以下プロフィール)
株式会社kaika 代表取締役 三浦真理恵
http://www.kaika-bp.com/

2009年株式会社パック・エックスに新卒入社。営業職を経て、新規事業の立ち上げ、組織改革支援、研修講師として活躍。2014年5月に退社しその後独立。「ひとりひとりが輝く組織づくり」をモットーに、パチンコ店・飲食店・広告代理店・ITコンサルティング会社等での研修を行っている。女性活躍推進研修のほか、仕事力向上研修や接客研修、チームビルディング研修など内定者から役職者まで幅広い研修を展開。

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