ホール禁煙化で狙うべきはママ層の復帰か〜「ママ×ギャンブル」調査を読み解く〜

2020.09.30 / コラム

株式会社カラダノートがメルマガユーザー1287名を対象に『ママの娯楽・パチンコ』に関するアンケートを実施し、その結果を公開した。パチンコホールのターゲット層として見過ごされがちだった子育てママ層について、興味深い結果が出ている。

 

パチンコ・スロットの遊技状況

 

主要なギャンブルについて、経験があるものを訪ねた質問では、パチンコ・パチスロは宝くじについで2位に。さらに、27.8%が直近1年以内に遊技をした経験があると答えている。ちなみに就業状況は、「専業主婦(42%)」「正社員(産休育休含む)(36%)」「パート・アルバイト(18%)」となっている。

 

1年以上パチンコをやめている理由

1年以上パチンコをやめている理由としては約2割が、女性特有のライフイベントを答えたという。
妊娠を機にタバコが気になるようになった
妊娠中は人目が気になり、出産後は自分の時間がなくなった
・パチンコをするぐらいなら子どもに服を買ってあげたいと思うようになった
子育てをしていると時間がなく金銭的にも余裕がない
(カラダノートによる抜粋・編集)

一方で「またパチンコで遊ぼうと思うきっかけは何か」の問いに対しては、「子育てが落ち着き自分の時間ができたら」「ストレスが溜まったら」「金銭的に余裕があれば」という声が挙がったという。

 

パチンコ・パチスロを始めたきっかけ

 

初めてパチンコで遊んだきっかけは、「恋人の誘い(37.1%)」 「友人の誘い(33.5%)」「家族の誘い(19.6%)」など。全体の9割が身近な人の誘いがきっかけだったと回答。また、身近な人でパチンコやスロットを遊技している人はいるかというの問いに対しては、全体の5割強が「いる」と回答し、身近な人物には「パートナー・配偶者(42.6%)」「両親・義両親(42.3%)」がそれぞれが4割を超える回答となった。

 

「ママ層」という休眠ユーザーを掘り起こせるか

この調査からは、意外にも多くの休眠ユーザーが「ママ層」にいるのではないか、ということが示唆される。また、そうした「ママ層」の復帰を阻んでいるボトルネックが具体的に明らかとなった。「妊娠中のタバコ」「子育て中の金銭・時間の余裕のなさ」がそれである。

タバコに関してはホール禁煙化がすでになされており、ママ層に訴求するような形で広めていくといった対応策が考えられる。また、「時間・金銭に余裕がない」というハードルに対しては、その余暇に使える時間・金銭をホールで楽しく使ってもらう、といった側面を重視した接客・営業を行うことが考えられるだろう。子育て世代が空いた時間にストレスを解消する・余暇を楽しむ場として、パチンコは選択肢に上っているはずだ。

いずれにせよ女性特有のライフイベントや、日本の社会で女性が置かれている現状に対する理解が問われる。スタッフや管理職として、これまで存分に女性が活躍してきた企業こそ、この休眠ユーザーをめぐる競争で優位に立つ企業だと言えるだろう。

アンケート, 子育て世代, ママ層, 女性