ロードサービスとパチンコじいちゃん

2020.02.16 / コラム

ホールの駐車場で常連客が車の中にキーの閉じ込みをしてしまった。客はホール従業員に事情を説明すると、ロードサービスに電話してくれた。到着までに1時間はかかるということだった。

ロードサービスがホールに到着した。

キーの閉じこみをした軽トラはあったものの、本人の姿が見当たらない。ロードサービスの担当者はホールへ入り、店内放送をしてもらった。

出てきたのは70代のおじいちゃんだった。

最近は、盗難防止の為にセキュリティー装置付き(イモビライザーキーなど)の鍵を使用する車両が増えている。セキュリティー装置付きの鍵のキー閉じ込みは、ロードサービスの対象外となったり、有料となる場合がある。

おじいちゃんは軽トラだったので、それほど難しい案件ではなかった。

おじいちゃんはロードサービスの会員に入っていなかったために、有料で1万3000円ほどが必要になる。

ところが、パチンコで使ったこともあって、すっからかん。払うカネもない。知り合いの常連客から借りて鍵開けに着手してもらった。

時間にして20分ほどかかった。

時は流れる。季節は冬。

雪が降り動けなくなった車の持ち主からロードサービスに「チェーンを取り付けて欲しい」との依頼が入る。

雪道で道路は車で渋滞している。現地到着まで2時間半はかかると伝えた。

現地に到着したロードサービスの隊員の目に飛び込んできたのは、見覚えのある車だった。特徴的なへこみ具合の軽トラがそこ止まっていた。そう、この軽トラはキーの閉じこみをしたあの軽トラだった。

ところが、車の中に本人の姿はない。

本人に連絡を取ろうにもケータイを持っていなかった。ロードサービスへの電話は通行人にお願いしてかけてもらっていた。

現場から300メートルほど離れた場所にパチンコホールがあった。隊員は機転を利かせ、持ち主は暖を取るためにホールにいるに違いないと読んで、ホールに向かった。

店内放送で呼び出してもらった。読みはズバリ当たった。

2時間余りも待たされたおじいちゃんは、またもやおカネを使い果たしていた。

ロードサービスの会員になれがキーの解錠作業は無料になるのだから、おじいちゃんには会員になることをオススメする。








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