メーカーがすべきことは適合率を上げることではなく機械代を下げること

2020.01.28 / コラム

スロットの適合率は相変わらず20%台に終始している。これを40%台へ引き上げ、市場を活性化するために、落とされた原因を究明すると共にそれを共有することで適合率を上げる動きがある。

「適合率が下がるのはギリギリを攻めるからであって、ギリギリを攻めないだけで適合率は上がる。ギリギリを攻める機械でなければホールが買わないからだが、今はそんなことをしている時代ではない。新基準機は出玉を抑えられているのだから時代に適した機械を開発すべき」と警告するのは元スロットメーカー関係者。

都内で1店舗を経営するオーナーは、一線を退き息子が社長になっている。低貸しにしかお客がつかない小型店舗で新基準機の入れ替費用に、社長は経営を続けることを諦めている。店を売りに出しているが買い手はつかない。

低貸しが主流となってしまった今、40~50万円もする機械代はビジネスモデルとして完全に破綻している。

儲かっている時代は10年で建て替えることもあったが、低貸し主流時代では建て替え時期が迫っているホールを建て替え工事をする話は聞かない。建て替えても低貸しでは採算が見込めないからだ。

メーカーがすべきことは保通協の適合率を上げることではなく、低貸し営業を見据えた機械代の大幅な引き下げである。4円、20円が揮わなければ中古で低貸しに回すこともできない。

機械代を下げるというのはホール側が前々からずっと要望してきたことだが、まだ、儲かっているころは、高いと文句をいいながらも買っていた。今は買える状態ではないから、メーカーの新台販売台数は年々下がり続けている。

かつては年間400万台の新台販売数を誇っていたパチンコは、2018年の規則改正で新基準機より収益性が高い旧基準機を温存するために130万台レベルにまで下がっている。

販売台数が下がればメーカーは利益を確保するために、機械の値上げしか考えない。ましてや上場メーカーは株主のためにも収益を落とすわけにはいかないので、機械代の値下げなど考えられない。

メーカーが肥大化したことで安い機械など望めない、ということはパチンコのビジネスモデル自体が破綻している。

低貸しは2~3万円の中古があるから成立しているが、2021年1月末までに完全に新基準機に切り替えざるを得ない。

そのタイムリミットもあと1年。パチンコ業界を支える低貸しコーナーはベニヤ板で閉鎖することになるのか、このまま廃業するのかの二者択一だ。でも、メーカーは生き残るために機械代は下げられない。肝心の売り先であるホールがなくなったら、メーカーは元も子もない。

パチンコ業界の市場規模はフィーバー前に近づいているのだから20万円以下の機械でなければ釣り合いが取れない。








オリジナルサイトで読む