マカオ:行政長官選挙 賀氏,中国イニシアティブ強調~カジノ営業権再入札の責任者

2019.08.11 / カジノ
2019-08-11

【海外ニュース】

8月10日、マカオ特別行政区の長官選挙の立候補者による政策発表があった。選挙は、8月25日に実施予定。

立候補者は、賀一誠氏(Ho Iat Seng,...

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2019-08-11

【海外ニュース】

8月10日、マカオ特別行政区の長官選挙の立候補者による政策発表があった。選挙は、8月25日に実施予定。

立候補者は、賀一誠氏(Ho Iat Seng, 62)のみであり、当選は確実視される。

賀一誠氏は、有力企業のオーナー家であり、中国・全国人民代表大会(国会)の常務委員、マカオの立法会議員および議長などを経験。親中国派。

マカオ行政長官の任期は5年。現職の崔世安氏(Fernando Chui Sai On, 62)の任期は、2019年12月まで。過去20年、親中国派が長官ポストを歴任。

カジノ産業においては、カジノ営業権(カジノ・コンセッション)満期(2022年6月)に伴う再入札に関する、新長官のスタンスが最大の注目点。
マカオ政府は、満期前に再入札を実施する方針であり、それは、新長官のもとで実施されることになる。

マカオでは、コンセッション保有者(または、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、権益であり、6社の企業価値を支える原動力である
再入札の焦点は、コンセッション数の増減、現有コンセッション保有者の退出、新規事業者の参入、など。

8月10日、賀一誠氏の発言のポイントは、以下の通り。中国政府へのロイヤリティが強調された。
・1国2制度、マカオ住民による統治は重要
・ただし、中国政府がマカオの政治システム改革のイニシアティブを持つ。マカオ政府は、この点では受動的な立ち位置
・昨今の香港における若者の抗議活動は、1国2制度を歪めるものであり、否定されるべき

マカオ:政府,カジノ営業権満期に伴う再入札準備~21年実施予想も。日本営業に影響

5月11日、梁維特(Lionel Leong)・マカオ特別行政区経済財政庁長官は、記者団に対し、カジノ営業権(コンセッション)満期後の方針について言及。ポイントは、

・改めて、”更新(Renewal)”ではなく、”新規入札(New Public tender)”を実施する方針を強調
・政府は、現在、入札実施に向けた法的な準備を進めている(ゲーミング法および関連規制の改正など)
・入札、すなわち事業者選定では、マカオの観光レジャーセンター化への貢献、ノンゲーミング強化などに重点を置く

一方、5月に入り、マカオのゲーミング法専門家であるJorge Godinho氏(マカオ大学・法学部客員教授, リーガルコンサルタント)は、”新規入札”が2021年に実施されると予想。

背景には、4月19日に、崔世安(Fernando Chui Sai On)・マカオ特別行政区行政長官が、議会にて、再入札が現行コンセッション満期(2022年6月26日)前に実施されること、すなわち現行営業権の延長オプションを行使しない方針を明らかにしたことがある。

マカオのカジノ営業権の”新規入札”は、日本におけるIR区域整備計画の選定認定(国による都道府県等と事業者の決定)の時期と一致する可能性がある。その場合、マカオの現行カジノ営業権保有者は、その喪失リスクを抱えた中で、日本参入営業を展開せざるを得ない。

マカオでは、コンセッション保有者(または、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。

図表の通り、マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、すべて2022年6月26日に満期を迎える。

ゲーミング・コンセッションに関して、現行法、契約(政府-事業者間)が規定するポイントは以下の通り。
・現行コンセッション満期後、新規コンセッションは、フレッシュな入札プロセス(Public Tender)を通じて付与
 (政府は、繰り返し、”更新”ではない点を強調)
・現行ゲーミング・コンセッションは、最大5年間の延長が可能
 (2019年4月、政府は延長しない方針を表明)
・政府は、2017年より、現行ゲーミング・コンセッションを早期償還できる権利を持つ
 (現在まで、政府は権利行使について言及なし)
・現行ゲーミング・コンセッション保有者は、それを喪失した場合、カジノ施設を、対価なしに、マカオ政府に移管する義務
 (カジノ施設の喪失は、事業性の観点から、自動的に全施設の喪失を意味する)

2017年央、政府高官は、初めて、”新たな入札(New Tender)”という表現を用いた。その発言は、現コンセッション保有6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2022年6月26日 SJM Holdings 香港証券取引所 22
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年12月末時点
注2:2019年3月15日、マカオ政府はSJM Holdingsのコンセッション(MGM China Holdingsのサブ・コンセッション)の満期日を、2020年3月31日から2022年6月26日に延長を承認
注3:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

マカオ:カジノ市場 7月YoY3.5%減,1-7月累計YoY0.9%減~中国経済不安,VIP減,マス増

8月1日、マカオのゲーミング規制当局(Gaming Inspection and Coordination Bureau, DICJ)は、7月のカジノ市場(GGR, Gross Gaming Revenue)を発表。

7月単月はMOP24,453mn,YoY3.5%減、1-7月累計はMOP173,956mn,YoY0.9%減(約3,423億円, 2兆4,354億円)。年初来、前年同月比増減率は、1ケタ%で推移、小動き。

2019年に入り、前年のバーの高まる中、中国経済の先行き不安、1月1日から導入されたカジノフロア内全面禁煙(VIPルームも禁煙に)などが影響したと考えられる。

ここ数年では、2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続の前年同月比マイナスが続いた後、2016年9月から2018年12月まで29ヵ月連続で前年比プラスであった。

7月16日には発表された2Q(4-6月)の市場詳細統計によると、2Qの市場全体はMOP73,351mn,YoYフラット(約9,829億円)であったが、うち、VIP部門(VIP Baccarat)がMOP34,616mn,YoY15.6%減、マス部門MOP38,735mn,YoY18.6%増。構成比は、VIP部門47%、マス部門53%。

中国経済の先行き不安のもと、VIP部門が縮小。それをマス部門がカバーする構図。

2019年6月末のカジノ施設およびデバイス供給量は、施設数41(前年同期末41)、テーブル数6,734台(同6,588台)、スロット数17,638台(同17,296台)。

コンセッション6事業者のEBITDAの構成比は、VIP部門が約3割、マス部門が7割。VIP部門は、キャッシュバック・リベート(仲介業者、プレイヤー)の負担が大きく、GGRに対する利益率が低い。

マカオ カジノ市場の暦年の動向
・2014年=カジノ市場はMOP351,521mn, YoY2.6%減
・2015年=カジノ市場はMOP230,840mn, YoY34.3%減
・2016年=カジノ市場はMOP223,210mn, YoY3.3%減
・2017年=カジノ市場はMOP265,743mn, YoY19.1%増
・2018年=カジノ市場はMOP302,846mn, YoY14.0%増

2016年9月~2018年12月の前年比プラス要素、マイナス要素
・プラス要素=コタイ地区の新規大型IR開業、中国政府の反腐敗対策の影響一巡、中国本土における所得向上
・マイナス要素=違法な資金移動の取締強化、禁煙施策徹底
(2016年5月、政府は、フォンベッティングの禁止を徹底、マネーロンダリング対策の新ルールを導入。合計でVIP市場を10-20%ほど、カジノ市場全体を5-10%ほど縮小させる影響と推定される)

 

マカオ:コタイ地区IR開発アップデート~Lisboa Palaceに加え, 計画策定フェーズ3施設


 
コタイ地区では、2007年8月のThe Venetian Macao開業から2018年2月のThe Parisian Macaoまで、10の大型IRが開業した。

現在、建設作業が進行中の新規開発計画(新規土地利用)は、Grand Lisboa Palace。
Grand Lisboa Palaceの開業により、コンセッション6社すべてがコタイ地区に進出することになる。

Grand Lisboa Palace(SJM Holdings)
・建設作業は、2014年2月に開始
・2018年末の建設作業の完了、2019年後半の開業を目指す。
<施設概要>
・総開発費=390億香港ドル(約5,500億円)
・延べ床面積=約52万㎡(加えて、駐車エリアは約7.7万㎡)
・ホテル=合計2,000室(Grand Lisboa Palace, Palazzo Versace, Karl Lagerfeld)
・MICE、飲食、ショッピング、カジノなど

一方、計画策定フェーズは、Galaxy Macau第3期&4期, Studio City第2期, Wynn Palace拡張1期がある。

Galaxy Macau 第3期&4期(Galaxy Entertainment Group)
・近く正式計画を公表へ
<施設概要>
・開発費=430億香港ドル以上(約6,020億円以上)
・延べ床面積=100万㎡レベルを想定
・ホテル=約4,500室
・MICEは3,700㎡、アリーナ16,000席、飲食、カジノなど
・ファミリー・エンタテインメント、MICEを強調

Studio City第2期(Melco Resorts & Entertainment)
・プロジェクト予算は、13.5億ドルから14億ドルを想定
・ホテル2棟(計900室)、ゲーミングエリア
・ウォーターパーク、飲食、リテイル、MICE、シネプレックスなど

Wynn Palace拡張1期-南区画(Wynn Macau)
・初期投資額20億ドル(約2,160億円)
・土地面積3ha
・プロパティ名”Crystal Pavilion”
・ホテル棟は約650室
・2021年後半に着工。工期は36ヵ月強

マカオ:政府 LRTタイパ線, 12月19日までに開業~交通網拡充, 港珠澳大橋に続き

7月初、マカオ政府・運輸公共事業庁長官のRaimundo do Rosário氏は、 LRT(light rail transit)のタイパ線(タイパ-コタイ区間)が、”遅くとも12月19日に開業する”と発言。
12月20日は、マカオ特別行政区政府発足の20年記念日である。

タイパ線(タイパ-コタイ区間)は、全長9.3Km、11駅で構成し、コタイ地区のIR群、マカオ国際空港、タイパフェリーターミナルを結ぶ。
タイパ線の工事は、2012年に開始し、2018年3月からテスト運転のフェーズにある。
2019年1月8日、政府は、タイパ線が2019年後半に開業すると発表した。

なお、マカオ半島線は、依然として、ルート調整段階。政府は、タイパ線とマカオ半島線の接続を2024年までに実現したい意向。

LRTは、新タイパ・フェリーターミナル(Pac On ferry terminal, 2017年6月開業。タイパ・フェリー線は、2007年10月以降、臨時ターミナルであった)、港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge, HKZM)に続く、マカオの交通インフラの拡充の位置づけ。

香港-マカオの交通アクセスについては、2018年10月24日に、香港、珠海市、マカオを結ぶ、港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge, HKZM)が開通。
港珠澳大橋は、全長55Km(主体部分36Km)と世界最長の海上橋であり、香港、珠海、マカオを結ぶ。工費は、全体で約1兆6,000億円、メイン区間は約8,000億円。
専門家は、港珠澳大橋は、2022年には年間500万人前後を輸送し、訪問者拡大に大きく貢献すると予想。

港珠澳大橋は、香港-マカオ間の移動を30~45分(橋の走行時間)。香港-マカオ間の片道バス料金は、HK$160~190とフェリーと同水準に設定された。
港珠澳大橋のマカオ側のチェックポイントでは、IR事業者の共同シャトルバスが、二つのフェリー乗り場まで運行(フェリー乗り場からは各社別のシャトル)。

港珠澳大橋の開通まで、香港-マカオ間の移動は、実際上、海路(高速フェリー:海上の移動時間は1時間強)に限定された。

マカオの訪問者数は、2017年は年間3,260万人。うち、アクセス経路別には、陸上路が57%、海上路が34%(1,124万人)、空路が8%であった。

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