マカオ低迷は代理賭博の減少が原因?

2014.12.26 / カジノ

12月22日、香港の不動産開発およびカジノ運営企業LOUIS XIIIホールディングスは最新の業績報告を行い、マカオカジノの停滞は主に腐敗取締強化に端を発する「VIP客の電話による代理賭博の減少が主な原因」と発表した。

「電話による代理賭博」とは、カジノのVIP仲介業者のジャンケットなどが客からの電話の指示により代理で賭博を行う方法で、客はカジノを訪れることなくバカラなどの賭博にリアルタイムで参加する。マカオの賭博法は、カジノテーブルをビデオカメラなどでライブ配信するオンライン賭博は禁じているが、代理賭博の場合は代理人が現場におり、客の指示通りに賭けを行うだけなため極めてグレーな状況で行われる。しかし一方で、代理賭博は電話の向こうで誰が実際に賭博を行っているのかが不明なため、資金洗浄の手段になりやすいとの指摘もある。カジノ業界サイト「GGRAsia」の報道によれば、今年10月、「ヴェネチアン・マカオ」などを運営するサンズ・チャイナは、コンプライアンスの遵守を目的に同社カジノのVIPルームでの電話による代理賭博の禁止を決定した。

「GGRAsia」は、このような電話を介した代理賭博がVIP収入の約8%を占めるという現地専門家の分析を紹介するが、カジノ収入全体の約3分の2を占めるVIP収入の10%弱が、ここ半年の大幅な収入減の主要因とするのはいささか根拠に欠けるようにも見える。しかし、マカオ政府当局のデータによれば、ジャンケット業のライセンスを持つ企業や個人は200以上も存在し、代理賭博による収入の実態を把握することは容易ではない。このような代理賭博が、どれだけマカオのカジノ収入に影響を与えているか計るのは難しいのが実情だ。

※画像はカジノのVIPルームのイメージ

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