マカオのジャンケットが1300億円の負債を残して失踪

2014.05.05 / カジノ

 香港の現地紙によると、マカオでジャンケットオペレーターが約1300億円の負債を残して失踪した。ジャンケットオペレーターとは、カジノのVIPルームに顧客を斡旋し、客への信用貸しや負債の回収を行う仲介業者だ。これまでにも失踪するジャンケットオペレーターは数多くいたものの、ここまで巨額な負債は前例がなくマカオのカジノ業界に衝撃を与えている。


 マカオのジャンケットオペレーターは、多数の出資者から資金提供を受けて顧客に貸し付け、顧客が賭けに負けた場合は負債の回収も行う。昨年のマカオ全体のカジノ収入4兆円のうち約2/3がジャンケットオペレーターによるものと言われている。ジャンケットオペーレーターの存在は、しばしば資金洗浄やその他の違法行為と結びつけられることもあり問題視されてきた。マカオの某カジノコンサルタントによれば、今年2月の春節(旧正月)の休暇中にVIPルームバカラの1ゲームの最高ベット金額4000万香港ドル(約5億2,000万円)というゲームが40回行われたという。
 今回の失踪事件のほかにも、巨大ジャンケット企業・ネプチューングループオーナーの妻が資金洗浄の疑いで逮捕されるなどジャンケット絡みの事件がこのところ頻発しており、マカオのカジノ業界は大きく揺れている。これらの問題を受け、香港証券取引所に上場するカジノ運営企業やジャンケット企業の株価は軒並み下げている。また、マカオで複数のカジノを運営するサンズ社は、同社と契約するジャンケットオペレーターへの監視を強化することを発表している。

※写真はイメージです。