ホール駐車場に痛車が来店「射幸心をあおらない試み」

2018.05.03 / ホール

写真1はコスプレイヤー:皇 麗華(Twitter @reika010)

好天に恵まれた大型連休直前、4月22日の日曜日。千葉県の郊外にあるホール「ヴィーナス東金店」駐車場には派手なラッピングをあしらった車27台が集結していた。アニメなどの女性キャラクターが大胆にデザインされた「痛車」を集めた「東金痛車フェス2018春」である。痛車とは主にアニメキャラクターなどに対する愛情を車体全体を使って表現されたもので、各地でイベントが行われるほか、痛車を用いた教習所があるほど盛り上がりを見せている。

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千葉県東金市の県道沿いにある郊外型ホール「ヴィーナス東金店」の駐車場。痛車オーナーだけでなく、見学に訪れた痛車ファンや家族連れ、痛車を真近で初めて見るというお年寄りのご夫婦などで会場は大いに賑わった。主催者であるDICコーポレーションの福田晃一郎氏(Twitter@dic_corp)は「この企画は昨年12月から初めて、今回が2回目になります。痛車オーナーさんたちから『集まる場が欲しい』というのがきっかけで、そこでヴィーナス東金店さんに打診したら面白そうじゃないですかと快諾していただけました。アニメとパチンコ・パチスロって親和性が高いといわれていますが、痛車オーナーさんもパチンコ・パチスロファンが多くてホールの駐車場での開催は好評なんですよ」と、本企画を始めた経緯について語ってくれた。

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会場を提供したことで、開会のあいさつを行ったヴィーナス東金店の長澤裕樹店長は「以前からお店ではアニメ原作のパチンコ機を並べたコーナーをつくったり、コスプレイヤーさんにも来ていただいたりして、アニメファンにも訴求できるような施策を行っていました。こうして痛車が集まるような催しは、射幸心をあおらない面白い試みかなと思います」と、新しいホールと地域が共存する考えについてコメントした。

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長澤店長は続けて「郊外型店舗のため広い駐車場を用意していますが、業界全体が厳しさを増す中でどうしても(スペースを)遊ばせてしまっている部分も多くなっています。そこで店舗から離れた場所などはレンタルスペースにするという考えもありますし、今回のように積極的に活用できればいいなと思います」と今後の駐車場の活用についても語った。同様の悩みを抱える郊外型ホールはきっと多いはずだ。


シフトレバーが牙狼剣、ステアリングには牙狼エンブレムを装飾

痛車のほとんどは萌えキャラをモチーフにしているが、そのなかで1台、異彩を放つ痛車が止まっていた。パチンコファンなら知らない者がいない大人気キャラクターが躍動する、金色に輝くスポーツカー。牙狼の痛車だ。

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群馬県からやってきたというハンドルネーム・マドゥーさんは、「パチンコで出会ってから、もう牙狼が大好きで大好きで……。1年くらい前から改造を始めた、これが自分にとって初めての痛車なんです」と語る。マドゥーさんは女性ながらサーキットでドリフト走行もこなすという走り屋で、「この車でサーキットを走って、牙狼をもっと多くの人に知って欲しいんですよね」。

シフトレバーも「インターネットで入手しました」という牙狼剣に改造、ステアリングの中央には牙狼エンブレムも。「いろいろなところで痛車のイベントをやってますけど、この車をエントリーするのは今回が初めてなんです。なぜなら牙狼に出会わせてくれたパチンコ屋さんでお披露目したいと、ずっと思っていたんですよね」

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当日は、関東地方で始めて真夏日を記録するほど気温も上昇したが「店内に入れば飲み物の自販機もありますし、きれいなトイレもあります。痛車の企画が行われる大きな駐車場ってそういったところで苦労することも多いんですが、パチンコ屋の駐車場なら困ることがないんでいいですよね。暑ければなかにはいって涼めますし、ついでにちょっと遊べますから(笑)」と、ホールの駐車場での開催には好評の声が多かった。

マドゥーさんも「初めてのお披露目が、念願だったパチンコ屋さんで本当に嬉しいです」と感慨深げな様子。関東圏だけではなく遠く名古屋からも痛車オーナーが集まり、見学に訪れた一般の方(なかには初めて痛車を見るというお年寄りの方も)を交えて盛り上がった東金痛車フェス。今年の11月にも第3回目が開催される予定だ。

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