ホール上位10社のロゴを使ったパチンコ

2020.01.09 / コラム

「やっと冬の時代が終わりました」

これはあるメーカーの営業マンがホールへ営業に行った時に思わず口について出てしまった言葉だ。

確かに最近は出す機種の評価が高まり、復調傾向にある。

人材育成のために部下に任せてトップが口出しするのはしばらく止めていた。ところが、結果はその想いとは逆の方向に進み、新機種がヒットしなくなって数年が経過した。決算発表の数字もかなりヤバイ領域に突入していた。

人材育成より会社の立て直しが先決問題である。そこで復活したのがトップチェックだった。

「これが出ないと退屈。でも、出過ぎたらダメ」
そんなユーザー目線の感覚をプログラムに落とし込んでいく作業を最終チェックで行っていく。

遊技機規則の改正ではメーカーの優劣がよりはっきり分かれてくる。そんな気配も感じられる。出玉規制をプラスと捉えるか、マイナスと捉えるかで自ずと機械づくりも変わってくる。

メーカーは、かつてはホールの声を機械づくりに反映してきたが、それがいつしか開発は外部の声を一切聞く耳を持たなくなった。しかし、メーカーもセブン機一辺倒では開発に行き詰っているのも事実で、営業マンがホールに意見を求めるようになった。その時の言葉が冒頭の「冬の時代が終わりました」発言である。

営業マンは「どんなパチンコ機だったら打ちたくなりますか?」と事務所にいた主任や店長らに意見を求めた。

「そうだね。ウチの従業員の顔がパチンコになったら面白いね。そんな台が出たらお客さんが面白がるだろ。そういう発想が必要。地域限定の背景が出るとか。全国同じじゃつまらない」(ホール主任)

この発言を呼び水に話はどんどん盛り上がって行った。するとこんな意見も飛び出してきた。

「全国10社以内のホールをターゲットに、ドラムの図柄を各社のロゴマークにする。10社分のリーチがあったり、ステージも各社のステージを選べるようにする。企画に乗ったホールは絶対に買うので、PB機よりも台数が見込める。ホールとしてもパチンコ機そのものがホールの宣伝になる。これなら、メーカーも高い版権使用料を払うこともないので、安く機械を提供できる」(ホール店長)

ジブリやキティちゃん版権を狙っているメーカーもあるだろうが、それよりもこのアイデアを聞き流すか、それともこれをヒントにより現実に近づけていくか。メーカーの腕の見せ所だ。










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