ホールスタッフの職業病が解消されたら遊技人口が増える

2019.12.06 / コラム

ホールスタッフには職業病がある。

客の喫煙率が高いので、空気環境は悪い。それが嫌で辞めていくが、残るスタッフは自身もタバコを吸っている。

仕事中は騒音の中、常にインカムを付けてやり取りしているので、耳も悪くなる。健康診断では8割のスタッフが聴力検査に引っかかる。

各台計数機が普及したとはいえ、玉箱の上げ下げや絶えず歩いているので、足腰に負担がかかりヘルニアに罹ったりする。腰痛や腱鞘炎、体力の限界を感じて辞めていく。

このうち、客側も嫌がるのがタバコと騒音問題だ。これは長年業界の課題とされながらも放置されてきた。

しかし、タバコ問題に関しては来年4月から全面禁煙となるので解決される。騒音問題についても、管理遊技機、メダルレス遊技機になれば、玉の補給音などの金属音はなくなるので、大幅に解消されることが期待できる。現状は聴覚機能に異常をきたす100デシベル以上だと思われる。

これを「きわめてうるさい」といわれる80デシベル以下の「うるさい」とされる60~70デシベルの環境に持っていくことだ。遊技機から発せられる効果音はボリューム調整でそのレベルに対応するしかない。

管理遊技機、メダルレス遊技機へ完全に移行した暁には、スタッフは腰痛から解放される。

パチンコ業界にとってイメージの悪かったタバコと騒音の問題が図らずも解消されようとしている。

シンクタンクの関係者はパチンコ業界を取り巻く変化についてこう話す。

「パチンコ業界は今後も淘汰は続くでしょうが、10年後に底を打って生き残ったホールには明るい未来が見えてきます。生き残るということは適正軒数でもあり、タバコと騒音問題が解消されている、ということは、新規ユーザーを阻害してきた悪い環境が取り除かれる。ホール環境が良くなっているので遊技人口が増えることも予測できます」

ユーザーにとって遊びやすい環境は働く側にも働きやすい環境とも言える。少子化で人手不足は今後も続く中で、ホール企業はホワイト化を目指している。残業代は分単位で支払い、有給休暇の消化も推し進めている。給与や福利厚生面を充実させながらも労働環境については手の付けようがなかった。

タバコと騒音、腰痛がなくなれば、スタッフは職業病から解放され、ずっと安心して働ける。








オリジナルサイトで読む