パチンコで勝った6万円をボッタクリスナックで…
2019.12.22 / コラム岩手から22歳の青年が上京してきた。初めての東京だった。常磐線のホームのアナウンスを聞いてびっくりした。
その内容とは「次の列車は短い10両編成です」。
「10両で短いんですか!」
田舎は1両編成はざらだから仕方ない。
3日間の滞在中、パチンコも打ちに行ってこれまたビックリした。店内の人の多さと、スタートが良く回ることだ。
1パチ専門だが、最初の店で勝つと気を良くして、数軒のホールをはしごした。幸運にも連戦連勝だった。ある台では37連チャンした。
トータルで6万円ほど勝った。
北千住で人と会う約束があったので、昼間の北千住を歩いていた。昼間から客引きに遭った。スナックでランチをやっている、という。純朴な青年は客引きの意味も知らない様子で、そのまま店に入って行った。
焼き魚定食は780円だった。
客は誰一人いなかったが、カウンターに腰を落とし、定食を注文した。
ママと会話する中で、ママにビールを勧められ食べながら、飲みながら会話が弾んだ。
東京に初めて来たことや、東京のパチンコ屋は良く回り、連戦連勝で6万円勝ったことなどを話した。
会計するときに純朴な青年は客引きの意味を知ることになる。
定食とビール1本で6万円成!
伝票を見て凍り付いた。青年はビックリすると共に「間違いじゃないんですか?」とママに抗議した。
すると、中から強面の男がメニュー表を持ってきた。
そこには焼き魚定食3万円、ビール3万円と書かれていた。
「ちゃんとメニューには料金を書いているだろう。見えなかったのか」と凄んだ。
客引きはカモを狙っていた。そのカモは、パチンコで6万円勝ったことを饒舌に話した。まさに、カモがネギまでしょってきた状態だった。
店は純朴青年が6万円は持っていることを値踏みしながら、裏でメニュー表を作ったものと思われる。
新宿・歌舞伎町ならいざ知らず、昼間の北千住でボッタクリスナックがあるとは思ってもみなかったことだろう。
警察に駆け込もうかとも考えたが、どうせパチンコで勝ったカネだからと諦めた。
客引きには用心しなければならにことを学んだが、それ以上に東京のホールは地元よりもボッタクリ店が少なかったことが収穫だった。
やはり地方は遊技人口も少ない中での営業となるので、渋い営業となることを悟った。